不妊治療中の気持ちの持ち方 | シンガポールで不妊治療&妊娠、育児の記録

シンガポールで不妊治療&妊娠、育児の記録

2019年12月からシンガポールで不妊治療を始め、採卵2回、5回目の胚盤胞移植を経て2021年に妊娠することができました。

2022年7月に無事出産し、現在は慣れない育児に追われています。

私の経験が誰かのためになればと思い、ブログに記録を残すことにしました。

不妊治療を始めてから、自分でも分からなかった本当の自分の性格が見えてきました。

 

  • 同じ年代で同じ治療をされている方の妊娠報告を見ると、うれしい反面、その方がどこか遠くの世界へ行ってしまったような気がする。
  • 何も治療をしないで簡単に妊娠している人(実際はしたように見えているだけかもしれません)と自分を比べて、なぜ自分は治療をしてもまだ授からないのかという不公平感。
  • もっと早く治療を始めていれば、もっと早く夫と出会っていたら、という変えることができないものへの執着。
  • 子供が授からなければ、今後の人生の楽しみ、生きる目標が見いだせないという気持ち。

 

とてもネガティブなものばかりですが、これが正直な私の気持ちでした。

 

妊活、不妊治療を始める前は、努力すれば大抵のことは叶うし、叶えてきたという自負がありました。

今思えば、周りの人の支えがあったからこそですし、環境や運の要素も多くありました。とても傲慢な考えを持っていたと感じます。

 

 

不妊治療では、良いと言われる食べ物や治療はできる限り試して来ました。そして、毎月のリセットが来る度に何が足りなかったのかと自分を責めました。(当たり前ですが)どこに問題があったのかが分からないまま、また一か月走り出すの繰り返しを休みなく続けてきました。

 

夫からは君の今の精神状態は異常だから、もっとリラックスした方が良いとことごとく言われてきましたが、こんなに重要なことに真剣に取り組まないなんてと逆に心の中で夫を責めていました。

 

今なら、リラックスすることと不妊治療に向き合うことは両立できるし、ストレスは妊娠には良くないことが分かります。

そして、他人と自分を比べても私が妊娠できる訳ではないし、過去のことを後悔してもどうにもならないことも分かります。

ただ、一方で追いつめられるまで頑張っていた当時の私を否定したくはありません。もし、その時に戻って声を掛けられるなら、よく頑張っているね。気持ちはよく分かるよと労わってあげたいと思います。

 

とは言え、今でも気持ちに波があり、ネガティブな思考になることもあります。そんな自分も認めてあげて、いつかわが子を抱ける日まで頑張ってゆきたいと思っています。

 

 

三回目の移植から判定日までの期間、You Are Awesomeという本を読みました。その中で、特に印象に残ったのは、「起きたことを過去形で語るのではなく、まだ。。。ではないと物語を続ける」ということです。

 

私の場合は、

「私は妊娠しなかった。」ではなく、「私はまだ妊娠していない。。。」と物語を続けるということです。

 

ほんの少しの発想の転換ですが、私はこの考えに救われました。