朧月
雲を通して降り注ぐ光
月の光は時に、
恐ろしさをともなう
なぜかはわからない
なんの前触れもなく、正体の定かではない恐れが襲ってくる
なにもかも見透かされているような、
全てを知られているような
あるいは、それまで忘れかけていたこと
隠し通してきたこと
気付かぬうちにひたひたと迫ってきたなにか
降り注いでくるのか
逆に、あのぽっかりと空いた穴に吸い込まれるのか
それすらもわからない
が、得体の知れない恐怖に包まれる
恐怖が降り注いでくる
内から沸き上がってくる
しかし、それはほんの一瞬であり、
我に返れば、
そこは平穏な静寂だった
あの恐怖は消え去ったのか
隠れただけなのか・・・
