大声で泣き叫べば/その声が遠い昔を引き寄せて/君の灯してしまったその火を/僕が消せる気がしたんだ | Acknowledgment Distance Torment

大声で泣き叫べば/その声が遠い昔を引き寄せて/君の灯してしまったその火を/僕が消せる気がしたんだ

部屋の掃除中、溜まりに溜まった紙資料を片っ端から捨てていると、一枚のプリントが出てきた。

大学に入って2週間目に書いた、今後の夢や目標。
そこには、今も変わらない下手くそな字でこう書いてあった。

『人を楽しませるために、自分にとって文章は一番都合が良い。
人を楽しませる事ができるなら、
例え書いた文章に絵や写真が付いていても、なんなら文章が絵画の説明になっていても良い。』


甘いな。


甘すぎるな。


芸術ってのは、そんなもんじゃないんだよ。


でもなんでだろうね。
久しぶりに涙が出そうになった。



若いな、君は。

僕は君より少し年を取っているから、君の夢を叶えてあげれないかもしれないな。


でもね。おじさん少しだけがんばってあげるよ。


原稿用紙は買ってきた。

部屋の掃除が終わったら。

少し人を楽しませてみたくなった。


作品がうまくできたら、綺麗になった部屋に写真を飾ろう。

素人の君が、感動だけでシャッターを押したあの頃の写真を飾ろう。