雪ウサギの目 | Acknowledgment Distance Torment

雪ウサギの目

俺は一人、駅のホームで電車待ち。

真冬用のあったかい上着があっても、風がとても冷たくて。
電車が早く来ればいいのに。

つぶやきながら反対側のホームに目をやると、小さなかわいい女の子が空を見上げて笑ってるんです。

女の子の手には、最新のゲーム機。

でもその液晶よりも、空を見上げて笑ってるんです。

どうかしたのかな?

俺がホームの屋根から上を覗き込むと、本当に小さな、雪が一粒、二粒。

ひらり。

ひらり。

途端に、また吹き出した刺すような風にうまく乗って、その雪はぐんぐん俺の方へ。

顔の手前で減速した雪が、ゆっくりと、俺の額に。

体温でじんわり溶けた初雪の滴。


冷たい、滴。


もう随分前の話。


今年の初雪は……いつだろう。