ランドクルーザーで峠を越える

賀曽利 隆さんという方がいます。

バイクで日本1周や世界1周をしたり、
パリ/ダカールラリーに出たりした方です。

代表作に
「峠越え」
交通タイムス社 1983 ¥780 絶版
という著作があります。

今を去ることン十年前このとです。


当時 オフロードをクルマやバイクで走り回っていた
僕のバイブルでした。

あるとき 雑誌社の企画で
1日に走れるだけの峠越をしてみようということになりました

まだ暗いうちに横浜を出て、

長野県をターゲットに、上州、信州の峠を目指しました。

1つ目。多摩ニュータウン北部及び八王子市東部の幹線道路である野猿街道にある峠。
標高160m。
 
和田峠(わだとうげ) 標高690m
東京都八王子市から神奈川県相模原市緑区の間にある、
山梨県道・神奈川県道・東京都道521号上野原八王子線(陣馬街道)の峠。
 
今川峠 
山梨県丹波山村高尾と小菅村今川の間にある県道18号・上野原丹波山線の峠。
 
焼山峠(やきやまとうげ)
山梨県山梨市牧丘町塩平と柳平の間にある峠で、
焼山林道と荒川林道の交点に位置している。
ダートだった。
 
なぜかいくつかの人形が置かれていた。
きっとこの峠で別れを告げるような出来事があったのだろう。
峠は人の心の分水嶺でもある。
 
柳沢峠(やなぎさわとうげ)標高1472m。
山梨県甲州市にある峠。国道411号(青梅街道)が通り、同街道の最高地点。
富士山も遠望できる風光明媚な峠である。
 
ここより塩山に下る。

5月頃通ると桜と桃のピンク色に迎えられる。
 
ホッチ峠(ほっちとうげ)標高1,093m。
山梨県甲斐市と韮崎市の境にあり、
山梨県道27号韮崎昇仙峡線、通称昇仙峡ラインに存在する峠。
 
ぶどう峠(ぶどうとうげ 武道峠)標高1510m。
群馬県多野郡上野村・長野県南佐久郡北相木村間に存在する峠であり、現在は群馬県道・長野県道124号上野小海線の一部で、日航機墜落事故現場に最も近い峠。
 
バイクでも車でも何度も通った好きな路だった。
事故があったときちょうど僕の妹たちが近場の農家に行っており、
とても心配したのを覚えている。

当時は格好のダートであったが、
今は舗装路で道幅も広くなっているという。
 
事故以来僕は行っていない。
 
十国峠 標高1356m。
国道299号線であるが、ダートの砂利道。
雄大な八ヶ岳連峰と深い谷によって刻まれた上州の山々を望む峠である。

とても好きな峠の1つ。
 
田口峠 標高 1120m。
十石峠を下って、佐久市(旧臼田町)を経て、信州側からゆるやかに峠を目指す。短いトンネルを抜けると、田口峠だった。
そこからは、信州に向かって下り道がクネクネと続いていた。

夕暮れが迫っていた。
 
塩ノ沢峠 標高1062m。
南牧村と上野村の境の峠で、頂上部はトンネルで貫かれ、
神流川沿いに下って行く。

誰ともすれ違うこともなく、
真っ暗な山道が続いていた。
 

志賀坂峠(しがさかとうげ)標高は780m。
埼玉県秩父郡小鹿野町と群馬県多野郡神流町を結ぶ峠。
峠の頂上付近には国道299号の志賀坂トンネルが通り、
トンネル内で県境となる。 

もはや真っ暗で峠の風景を撮っても何も写らない。
唯一トンネル内がかろうじて表現できた。

そんな傍らを、
狸が走り抜けていった。


自宅に帰着したのは、
深夜2時を過ぎていた。

延々600km 越えた峠の数は15に及んでいた。

エンジンの冷える音が、
キンキンと人気のない夜の中に響いていた。

やり遂げたという思いと心地よい疲労感が訪れてきていた。

ありがとう、僕のランドクルーザー。


その後 賀曽利さんの峠越えの数は増えています。

雑誌に15峠越えの記事が載ってから、
友達と丹沢にツーリングに行った。
 
その帰り、賀曽利さんのお宅に遊びに行って、
歓待していただいたのを思い出す。
 
南米一周に使ったスズキハスラー 50ccがお庭にさりげなく置かれたりした。
 
 
今は昔の物語である。