http://www.pref.osaka.jp/gikai_giji/h2109/2109-02ikensho.html

 離婚後の子どもの養育について定めた民法第766条には、別居親との面会交流の規定がなく、多くの親子が離婚を期に、親子の関係が絶たれているという現実がある。裁判所での調停や審判を経て、面会交流の取決めがなされていても、強制力がないため、決定自体が監護親によって反故にされ、守られていない事例も少なくないのが現状である。
 また、日本では離婚に際し、子どもの親権をどちらかに定める単独親権制度(民法第819条)を採っているため、子どもの養育の責任が一方の親にのみ帰属し、親権を失った親には、養育する権利はおろか、血を分けた実の親でありながら、お互いが自由に交流することも法的に保障されず、「引離し」にあっているケースも少なくない。一方で共同親権に移行した国々では、緊急性のない親子の引離しは、子どもへの虐待であるとの認識等から、両親や子どもに対する教育や支援体制が充実し、わが国の現行制度との違いを際立たせているのが現状である。
 よって国会および政府は、離婚後の親子の交流の保障や子どもの福祉などの観点から、下記の項目を速やかに実現されるよう強く要望する

                         



1.

民法第819条を改正し、本質的に離婚後も親の子供への権利義務は平等であるという視点から、双方の親の養育の権利と責任を明確にする離婚後の共同親権制度を導入すること。

2.

DVや虐待等に十分に配慮した上で、離婚後も双方の親が子どもへの養育に関わることができるように、面会拒否に対する強制力の付与など実効性のある離婚後の親子関係の維持に資する法制度を導入すること。

3.

離婚後の親同士の関係を調整するための第三者による仲介への支援や安全な面会場所の確保、離婚後の親子関係についての教育プログラムの提供、子の年齢に応じた面会交流のガイドラインの整備など、離婚後の親子の交流を保障するための法整備を行うこと。



 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成21年10月27日


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上記意見書を求める陳情請願を出したグループに、下記の意見をぶつけてみました。



>> 3、離婚後の親同士の関係を調整するための第三者による仲介への支援や安全な面会場所の確保、離婚後の親子関係についての教育プログラムの提供、子の年齢に応じた面会交流のガイドラインの整備など、離婚後の親子の交流を保障するための法整備を行うこと。

今、ある県議会・市議会の会派で、この法整備について、具体的な議論をしています。

例えば法整備が先行してされたとしても実際の運営は、県市一般財源の単独予算実施(*1)か、三分の一国庫補助金で県市が3分の2を一般財源で負担する形式(*2)で実施される可能性が高く、国100%で実施される可能性は1%以下の確率であろうと言うのが、統一した見解になっています。

意見書が可決されて、それを受けて法整備に結びつき、実際の運営は基礎自治体である市か、或いは都道府県直轄事業として行うとなったときに、大阪府としてどの程度の予算を確保できるのか、聞いてみていただくことは可能でしょうか。

全国規模で話をしたときに、子ども施策で一番顕著なのが、放課後児童クラブ(学童保育)と地域子ども教室事業です。これは3分の1国庫補助金で、3分の2が県市の一般財源で賄うことから、全市公設公営の運営から未実施の自治体まで、多種多様の運営方法があります。
離婚後の子に対する支援策も同じ状況下にあることから、大阪府として法整備までの間に、意見書を具体化した際に、どの程度独自予算で取り組みをしてもらえるのか、正直なところ聞いてみたいのですが、薮蛇になりそうなので止めておきます。

(*1)大阪府ひとり親家庭助成事業
http://www.pref.osaka.jp/yosan/cover/index.php?year=2009&acc=1&form=01&proc=5&ykst=2&bizcd=19963299&seq=1
児童扶養手当事業費〔経常的経費〕
http://www.pref.osaka.jp/yosan/cover/index.php?year=2009&acc=1&form=01&proc=0&ykst=2&bizcd=20050466&seq=1

(*2)大阪府児童扶養手当事業費(義務的経費)
http://www.pref.osaka.jp/yosan/cover/index.php?year=2009&acc=1&form=01&proc=0&ykst=2&bizcd=19964517&seq=1


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盲目状態で猛進している人達に伝わらないことなのですが、最初に他市で意見書を提出した団体の人達が言っていたことを、今でも鮮明に覚えています。


「自市で予算をつけて実施する請願陳情はなかなか通らないが、予算措置を講じない意見書ならば議会は通りやすいと、知人の市議会議員に言われたので、意見書で運動を展開することにした。」


意見書は意見表明として重要ですが、それだけでは事業実施が出来ません。

出す側の市議会も、自分達の予算措置を講じるから、国も補助金を出して欲しいと書くのならともかく、実施する気があるのかないのか、聞いてみたいところです。