今日新宿で映画「ルックバック」見てきました。

見てすぐの感想になります。


漫画版はアプリで無料で読める途中までしか読んでいなくて内容はなんとなく知っているみたいな状態で見ました。


この映画はクリエイターを目指していたり、何か夢を持っているような人にオススメです。


登場人物の気持ちがすごく身に染みると思います。


正直万人にオススメできる映画ではないかな、、、


この映画を通して伝えたかったことは「クリエイターは不幸である」であると自分は感じました。


以下あらすじです。すでに知っている方は飛ばしてください。


あらすじ

小学校の学年新聞で4コマ漫画を連載している主人公藤野。自分の事を絵の天才であることを自負していた。

ある日から不登校の生徒であった京本も藤野の漫画の横で連載を始めることになる。

京本の絵は藤野の絵と比べてかなりレベルの高いものだった。

その日から一人でひたすら絵を練習し続ける日々を送るがそれでも京本の絵には遠く及ばず、6年生の途中で漫画の連載をやめてしまう。

卒業式の日に卒業証書を届けるため京本の家に行くことになった藤野。そこで京本から藤野の漫画の大ファンであることが伝えられる。

中学に上がり藤野と京本は2人で漫画を書くことになる。

藤野と京本の書いた漫画は中学生にして漫画の賞を取ることになる。その後も2人で漫画を書き続け大学生になる頃には漫画の連載を持つようになった。

そんな時に京本から美大に行きたいから2人で漫画を書くことはできないと伝えられる。

それからしばらくして藤野は国民的漫画家まで登り詰める。

藤野が漫画の連載を書いていると京本が通ってる美大で不審者による殺害事件が起きたというニュースが流れる。

京本に電話をかける藤野。電話は繋がらず京本は殺されていた、、、


考察

京本は絵の天才であるのに対して藤野は漫画の天才です。

そんな2人の天才が出会うことで物語は動き出します。

スティーブジョブズとスティーブウォズニアックの関係性に近いようですが少し違います。

藤野と京本が出会う前はそれぞれ1人で絵を描いていました。

京本については描写されていませんが、藤野が1人で絵を描く描写はとても楽しそうに見えません。

友達付き合いや家族との団欒を犠牲にして絵の練習に励みますが京本との絵の才能の差を見せつけられ苦しむだけでした。

しかし藤野と京本2人で漫画を書くようになってからは一日中絵を書き続けるという生活は変わりませんが楽しそうに絵を書いています。

2人で絵を見せ合い議論したり、疲れたらふざけ合ってじゃれあったりと。

漫画の賞を受賞した際に貰ったお金で2人で遊びに行くシーンは幸せそのものです。

楽しく絵を描くことができるようになり、応募した作品は賞をとり、連載が決まり全てが順風満帆でした。

そんな順風満帆な生活も京本から解散を言われることにより終わります。

時が経ち藤野が1人で国民的漫画家に登り詰めることになります。

しかし藤野は貧乏ゆすりをして担当者と電話をしながら絵を書いています。

また1人で苦しみながら絵を書き続ける生活に逆戻りです。

さらに京本が死んでしまうことにより前の楽しく漫画を書いていた生活には戻れなくなってしまいます。

ここで大事なのは京本は不意の事故によって偶然死んでしまったのではなく作者が殺したということです。

このお話は漫画家の話であり、原作者の藤本タツキ自身の話でもあります。

藤野と京本が2人で楽しく漫画を書いていた頃は確かに結果が出てきて調子はよかったです。

しかしまだ漫画で飯が食えるプロではありませんでした。

藤野は1人で孤独になることによって最前線で戦う一人前の漫画家になりました。

つまりクリエイターというのはアマチュアレベルなら仲間と楽しく純粋にモノづくりを楽しめるかもしれない。

しかしそれで飯を食うプロになるということは決して楽しいものではない。

モノづくりを純粋に楽しみたいならアマチュアのままでいた方が良い。

不幸になる覚悟があるやつだけがプロになれ!

京本を殺した理由は幸せな人生に戻る退路を断つということであり、藤本タツキの漫画家としての覚悟である。