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今回は怖かったけど、もうちょっと頑張って欲しかったと思う実話映画を紹介します。


悪魔の棲む家 REBORN


主演:ジョン・ロビンソン 『トランスフォーマー』


出演:チェルシー・リケッツ 『ジャッカルズ』/ダイアナ・フランクリン 『悪魔の棲む家 PART2』/レイニー・カザン 『ピクセル』/ポール・ベン=ヴィクター 『デアデビル』『ミッシング・タワー』



・あらすじ(ネタバレ)


サフォーク郡警察に1本の通報が入りました。応対すると、男は「「家族が死んでる」って男が駆け込んできたから皆で見に行ってみたら……」「おい、ここの住所は?アミティヴィルだ。オーシャン・アベニュー112番地。」「みんな死んでる。一人残らず……。」


実際の事件に基づく物語


その3週間前、1974年10月26日


ロングランド、アミティヴィルの112番地にある大きな木造の一戸建て、通称「ハイ・ホープス」。そこではデフェオ一家の長男ブッチと長女のドーンの誕生日パーティーが行われていました。パーティーではドーンがカメラを回して辺りを撮影しており、父ロニーとイタリア系の母ルイーズ、次女アリソン、次男マーク、三男ジョディ、愛犬のシャギーを映像に収めていましたが、ブッチは嫌がってカメラを止めるよう求めます。

近隣住民や友人がパーティーに来るなか、母方の祖父母ブリガンテとノアがやって来ます。自動車会社を持つブリガンテは徒歩で大学に通学するわけにはいかないとブッチとドーンに車の鍵をプレゼントしました。ドーンは受け取ると、プレゼントされた車を見て嬉しく思いました。その一方、ロニーはブッチの鍵を引ったくり「俺のように自分で買わせる」と断りますが、ブリガンテに「口を出すな。」と言われて渋々戻しました。


台所では、ノナが娘の作ったマリナーラソースを食べて不味いと評価していました。ノナが味付けを加えると、ルイーズが「ロニーが嫌がるから。」と止めたためにノナは「あの男、まだ暴力を?」と尋ねます。ルイーズは自分はカリフォルニアで仕事があり、ブッチとドーンが今後大学に進学するのを理由に子供たちと家を出ようとしていたことを明かします。その家はルイーズの祖父母の家だったために今まで踏み切れず、ノナもルイーズや子供たちの身を案じながらも快く思っていませんでした。


一方、ドーンは遊び場である家の地下室に行っていました。地下室にはブッチ、その彼女のドナ、近所の悪友のペルスキーとランディらがたむろしています。

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ドナはブッチを見ると、メモ帳にブッチの名前を書いて言葉遊びをしました。彼女はチャールズ・マンソン事件の本を見て動詞の空欄に「殺す」と書き、更にはドーンの希望で好きな部屋の空欄に「赤い部屋」と記入します。結果、メモ帳には『ブッチ・デフェオは赤い部屋でイカれた揚げ句にあなたを殺す。』という文章になり、周囲はシラケた空気になります。

そこでドーンはドナたちを地下室の物置の奥にある隠し部屋を案内しました。そこは小さな出入口を抜けた小部屋で、ブッチとドーンの避難場所であり、怪しいまじないをするための場所でした。

ドーンは皆を車座に座らせると、「ロングランドはあのよと繋がってる。死者との会話もできるの。」と言います。彼女は真ん中に銀のトレーを置き、瓶からコインを1枚取り出してトレーに置くと、ノナからもらった魔術の本に則り『降霊術』を始めます。部屋に来ていたブッチとドーンがコインの上に手を重ね、呪文を唱え始めると、コインが動いたことでドナたちはコインを凝視しました。そして電灯が割れると、一同は悲鳴を上げて逃げ出します。



そこへ、ロニーが物置の前に現れます。ロニーは「このクズどもがさっさとしろ!」と脅してドナたちを追い返します。ドーンはブッチを庇うようにロニーに釈明しますが、彼は「あのクソみたいな連中を俺の家に入れるな。」と責めます。するとブッチは「負け犬みたいなあんたとどこが違う?」と言い返してきたため、皮ベルトを巻いた拳でブッチを殴り、着替えてパーティーに戻るよう命じてから出ていきました。

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ドーンはブッチの手当てをしながら「この家から遠くに逃げるのよ。」と話しますが、ブッチは「無駄だよ。逃げても見つかる。あいつが死ぬまで終わることはない。もしくは僕たちが死ぬか。」と言います。

2人は何事も無かったかのようにパーティーに戻りました。外では皆が2人を祝福し、ジョディらはブッチに誕生日プレゼントを渡します。ロニーは皆の前でブッチに「自慢の息子だ。」と笑っていましたが、彼は曇った表情を浮かべます。

その後、ブッチはパーティー中にロニーが黒づくめの男から大金が入ったカバンを受け取るところを目撃します。彼がロニーあとをつけてみると、ロニーは夫妻の寝室にある隠し金庫にカバンを入れるのでした。自分の部屋に戻ったブッチは
複雑な表情を浮かべます。

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その日の夜、ブッチは恋人のドナと共に家の前でカーセックスをしていました。彼はドナに持って来させたLSDを服用し、ドナにフェラをされていましたが、
家の中で何者かがライフルを持って家族を射殺する幻覚を見てしまいます。

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彼がドナに行為を止めさせると、ドナの顔がドーンの顔に変わる幻覚を見て思わず追い出します。ドナは怒鳴り声をあげますが、ブッチは雨の中置き去りにして逃げ出しました。

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その翌日、ルイーズが2階の空調を調整していると、家の中で誰かがいる気配を感じ取りますが、誰もいません。気配の正体を探すルイーズは3階のブッチの部屋のテレビがつけっぱなしになっていることに気づき、テレビを消しました。


ブッチの部屋にいると、ルイーズは大学の不合格通知を見つけてため息を出しました。すると、彼女はふとブッチの学習机を確認しました。机の上にはノートがあり、不気味なイラストや手形、言葉が書き殴られていました。気配を察したルイーズはひとまず部屋をあとにします。

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ルイーズが車で帰宅すると、家の扉に木の十字架が挟んであることに気づきます。車の中から何者かがじっとルイーズを見つめます。

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あのあと、ルイーズはタバコを吸って一休みしていましたが、地下室の扉が勝手に開き、勝手口の窓に鳩が激突したため驚きます。その鳩は瀕死状態のまま息を引き取ります。


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1974年10月31日


街はハロウィンで盛り上がり、一家も仮装してパーティーに出掛ける準備をしました。ノナはアリソンに本当のハロウィンの意味や魔女の話をして怖がらせますが、ルイーズがノナに止めるよう求めます。マークとジョディが遊び回るなか、ロニーは「外に出せる格好か?黙ってコートを着てこい。」と露出度の高い服を着たドーンに難癖をつけました。そこへブッチがやって来ると、「あれは声だ。みんなの声じゃない。」とルイーズに訴えます。

ルイーズは家族を取りまとめ、ブッチに留守番を頼んで出掛けますが、ブッチは母の話を他人事のように聞いていただけでした。


一家は帰宅しますが、家を荒らされたことでロニーはライフルを構えていました。子供たちが不安になるなか、ルイーズは寝室の鏡に口紅で『PIG (ブタ野郎)』と落書きがされているのを発見します。更にロニーは隠し金庫にあった金がないことに気づき、ブッチに疑います。

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ロニーは自室で寝ていたブッチの首を掴むと、「お前が盗んだのか?答えろ。どこにやったか答えないなら殺す。」と激怒しました。自室の前にいた家族が泣き叫ぶうち、ドーンの通報により警察がやって来ます。警察は家中を調べますが、ルイーズが素直に答えようとするのをよそにロニーは「何も盗まれてない。どうせ近所のイタズラだ。」と主張します。ブッチは顔色を悪くして起き出し、「部屋で寝てたから分かりません。音も聞いてない。」と警官に供述します。警官は荒らされたのに音を聞いてないことに矛盾を感じますが、捜査はそれきりとなりました。


その後、ドーンはブッチの部屋に行って真相を聞き出そうとしますが、ブッチは自分は金を盗ってないと主張します。それからあの日の降霊術の話になります。ドーンは「昔はよく『彼ら』と話した。私たちを守ってくれた。パパが酔ってる時とか、不機嫌な時に…。でもあの日は違った。もしかしたら彼らを怒らせたのかも。」と言い、あの日『彼ら』が「ずっとここにいろ。」と言っていたことも明かします。ブッチもドーンも両親がこの家を売るかもしれないと気づいていました。


2人はブッチの部屋で『彼ら』の怒りを鎮める儀式を執り行いました。すると、台所の引き出しが勝手に開き、気配は各部屋の様子を伺いながら3階に上がっていきます。アリソンたちは何故かうつ伏せで寝ていて、ロニーは「金はどこだ!」と嘆いては「もうダメだ。俺は殺される。」と寝室で泣き出していました。そして、気配は3階のブッチの部屋の前に現れると、それは黒い人影となり、近くにいたシャギーは怯えて逃げ出します。


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1974年11月5日

ブッチが部屋でテレビを観ていると、部屋の壁から聞こえるひそひそ声に気づいてコップに耳を当てて確認しました。そのまま集中していたブッチでしたが、ドーンが部屋に来たためその行動を止めます。ドーンは「誰かが車の中から家を見てるみたい。」と窓の外にいた黒い車の男性を確認します。ドーンが「以前家に来た連中かも。もう一度警察を呼ぶ?」と聞きますが、ブッチが覗いた頃には道には誰もいませんでした。


怯えるドーンをよそにブッチは動揺する様子もなく、ヘッドホンを着けながらベッドに寝そべって宙を見つめていました。ドーンが声をかけると、彼は強引に彼女の腕を掴み、「ああ…そうだ…怒るな、妹は悪くない。…分かってる。……できないよ。……今はダメだ。…約束する。」と見えない誰かと話していました。ドーンは腑に落ちないまま怯えて部屋に戻っていきました。

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深夜3時15分、ブッチ以外の家族は全員部屋でうつ伏せで熟睡していましたが、ドーンの部屋の扉がゆっくりと開くと、掛け布団が勝手に剥がされ、飛び起きます。部屋の隅にはブッチが立っていましたが、ドーンが話しかけても返事がなく、彼女を見ていないようでした。

ほどなくして、勝手口の扉から激しく叩く音が聞こえてきました。ドーンは起き出してきた両親と見に行きますが、ロニーが1階を見て回るうちに居間に掛けられた絵画が落ちます。すると今度は表玄関の扉から激しく叩く音が鳴りました。ロニーは玄関の扉を開けて外にいる誰かを怒鳴りつけようとしますが、玄関には誰もおらず、道にはゆっくりと黒い車が逃げ去っていきました。



一方、ブッチは自室のベッドで横になり、「分かってる…ああ…無理だ……嫌なんだ。」と見えない誰かと話していました。同時にルイーズとドーンはロニーを問い詰め、ドーンは車の中から誰かが見ていたことを話しますが、ロニーは「なんでもないって言ったろ。」「お前ら全員どうかしてるよ。」と言い張ります。
やがて、ブッチは見えない誰かに責められると、「……殺す。」と呟きます。


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1974年 11月8日


ルイーズはノナと電話しながら夕飯を作り、ドーンはダイニングで勉強。マークとジョディはその場で遊んでいましたが、ドーンは勉強の邪魔だと叱りつけます。TVでは子供番組が大音量で流れていて、マークが夕飯前にお菓子を食べたりアリソンが牛乳を直接口に飲んだりしていたため、ルイーズは子供たちに注意します。


そこへ、勝手口から悪友のペルスキーとランディがやって来て、ドーンの隣に居座ってからかい始めます。その時、ロニーが仕事から帰宅し、アリソンたちは逃げ出します。


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彼はペルスキーにビールを用意すると、「俺の若い頃は他人の家を訪ねたら敬意を示したもんだ。大事な家具に汚いケツを乗せたりしない。」と説教します。ドーンはロニーをなだめようとしますが、「俺の若い頃は誰がボスか教え込んだ。」とドーンやペルスキーをいじめようとします。


ルイーズは煮立った鍋で火傷を負いながらも止めに入りますが、ロニーの肘鉄を腹部に食らって倒れます。ロニーは「奴らと乱交パーティーでもするのか?あのクソガキどもとやりたいんだろ?」とドーンに罵り、ペルスキーとランディが隙を突いて勝手口から出ていったあと、地下室からブッチが現れ、ロニーの首にライフルの銃口を押し当てて黙らせます。

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殺意を持っていたブッチはそのまま引き金を引きますが、不発だったため、黙って自分の部屋に逃げ出します。


その後、ドーンは広間でルイーズの火傷の手当てをしながら「いつまで続けるの?手遅れになる前に終わらせるべきよ。」と話しますが、ルイーズは潤んだ目で子供の頃に見た夢の話をしました。

「あなたには話したかしら。子供の頃よく夢を見てたわ。家族ができる夢よ。子供たちに囲まれて…お婆ちゃんは予知夢だと言われて本当だったわ。でも最近は変な夢を見るの。終わりが訪れる夢。恐ろしくて…美しい終わりよ。雨が降ってて、それから血が…すべてが終わると、とても穏やかな気持ちになるの。だって、みんな一緒だから。安らげる場所で。私たちの家、『ハイ・ホープス』でね。」

そう語るルイーズにドーンはただ憐れむことしか出来ませんでした。


その一方、ロニーは自室で横になっていたブッチに「引き金を引くならためらうな。勇気だけは認めてやろう。俺は誇らしいよ。だが覚えておけ、次に銃口を向けられるのはお前だ。」と言い捨てて出ていきますが、ブッチは微動だにせず、何も聞こえない状態でした。

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数日後、ドーンが帰宅すると、家の前に置かれた古いマリア像と家の中に取り付けられた鉄格子を見て呆れました。中に入ると、両親が夫妻の寝室で言い争っていました。

マリア像と鉄格子はロニーの仕業であり、家に棲む魔物のせいだと考えた彼はあの日ライフルが不発だったのは自分が選ばれた人間だからだと解釈するのです。ルイーズは呆れて「おかしいのは家じゃない、あなたのほうよ。目を覚まして!ブッチが問題を抱えてるのよ。どうするつもりなの?」と訴えると、ロニーは彼を疫病神だと罵ったうえ、「軍隊にぶちこめば半年で鍛え直してくれる。」と言います。

それでもルイーズは「疫病神じゃない。私たちの息子よ。私たちを必要としてるのよ。」「薬のせいだわ。必要なのは治療よ。」と言い張りますが、ロニーは「施設に入れるくらいなら精神科病院に送り込む。」と言います。それを聞いたルイーズは荷物を持って子供たちを連れて両親の家に行こうとしますが、ロニーは「あのカネがないとまずいことになる。悪かった、今は一緒にいてくれ。頼むからどこにも行くな。」と抱きつきながら懇願するのです。

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ドーンはその一部始終を扉の前で聞いていましたが、彼女の背後にブッチが来て、地下室に来るよう誘われます。地下室の小部屋に行くと、彼はドーンに大金が入ったカバンを見せます。大金は5万ドル以上入っていて、「今朝見つけた。僕じゃない。」と主張します。ただ、ブッチは「頭が混乱していて、食欲もないし眠れない。ただ一晩中、来る日も…来る日も…見てる。……お前をだよ。」と虚ろな目で言います。そして、彼は静かに不気味な話をしはじめます。

「先住民がどうやって死者を葬ってたと思う?冬になると、彼らは野蛮な罪人たちを処刑した。被差別民や部族の敵たちを木に縛りつけてそのまま放置する。彼らは風雨にさらされて飢えに苦しみ、病気になり、正気を失う。ついに息絶えると、うつ伏せにして埋葬する。」

「この家の人間はみんなうつ伏せで寝る。毎晩同じように。誰も目覚めず、音も立てない。まるで全員が同じ場所で同じ夢を見るように暖かい毛布にくるまって…静かに…穏やかに…安らかに…」

そう話すと、瓶にあったまじない用のコインを全て銀のトレーに乗せると、手をかざして呪文を唱えはじめます。ドーンも渋々ブッチの手を重ね、唱和しはじめます。すると、コインは全て宙に浮き、彼らの周りで舞っては弾き始めたのです。

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ドーンはブッチを連れて小部屋の外に行くと、「パパの話を立ち聞きした。あなたを病院に入れるって。どこかへ逃げないと。」と話しかけます。ブッチは正気に戻り、「僕は大丈夫。お前は逃げろ。」と応えます。ドーンは彼を説得しますが、彼は「僕が逃げたら弟たちが殴られる。逃げ道などないんだ。誰にとっても。よく考えろ。」と話します。

その夜、ドーンは荷物と大金を持ってノナの元へと向かいました。同時にブッチは自分の部屋で仰向けで横になり、夢を見てうなされているようでした。


そして、深夜3時15分になると、ブッチは突然目を覚ましました。彼は各部屋を見て回りますが、全てのベッドは藻抜けの殻になっていました。廊下に黒い人影が通り過ぎていきます。

ブッチはその黒い人影を追って1階の居間に行きましたが、部屋の隅々には黒い人影の数々が浮き出るようになり、彼らの姿を見たブッチは追われて自分の部屋に逃げ込みました。


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彼は「失せろ!僕に近づくな!」と叫び、耳を塞ぎながら涙を流しました。両手を見ると、手は真っ赤に染まっていて、鏡にはライフルを差し出す人影の姿がありました。再び両手を見ると、両手は血に染まっておらず、彼は耳を塞ぎながらベッドに身を伏せました。


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1974年11月13日

自室で下着姿で横になっていたブッチは普段着に着替え、部屋を出ますが、階下からは両親が彼を病院に強制入院させる打ち合わせをしている声が聞こえてきます。ブッチがゆっくりと1階に降りていくと、ロニーは優しい声で「一緒に夕食を食べないか?」と言い、ドーン以外の家族は和やかにダイニングでパスタを食べていました。ロニーは彼を下座に座らせ、自分は対面の上座に座らせると、彼に「妹はどこに行った?」と聞きますが、ルイーズが「すぐに戻るわ。最後の晩餐を楽しみましょう。」と言い、家族に手を繋がせ、ジョディに食事のお祈りをしてから食べ始めます。


ブッチはその異様な光景に戸惑い、鏡に映る家族の姿を見ると、そこには皆、頭や額を打ち抜かれた家族の姿が居座っていました。彼は立ち上がって「来るな、あっちに行け。」と言い放つと、テーブルナイフを握って「近づくな!」と叫びました。そして止めに入ったロニーの手の平を切り裂いて逃げ出します。

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ブッチは玄関の扉を開けようとしますが、開けられず、2階に逃げました。階下から見た家族は不思議そうに彼を見つめ、ルイーズが優しく声を掛けたものの、彼は「僕に近づくな!」と言って自室に逃げ込み、マットでバリケードを作ります。そして、丸窓をバットで割ろうとしますが、割ったとしても元通りになって割れませんでした。


同じ頃、ドーンは都会のマンションに住むノナと話をしていました。ドーンが「あの家は何かがおかしい。」と話すと、ノナは「あの家のことはあなたも知ってたはずよ。特別だって。」と言い、あの家について語ります。

「私たちが出会った頃、お爺ちゃんは希望に燃えててね。必死で働いたわ。娘が生まれた時、ロングアイランドを訪れた。お爺ちゃんは2つの仕事を掛け持ちしてたけど、小さな土地を買うために更にお金をかき集めた。アミティヴィルにね。あの場所に私たちは強く惹かれたの。モイナハンという金持ちからその土地を買って、お爺ちゃんはかぞくのため1年もかけて家を建てた。それがあなたの家。だから『ハイ・ホープス』と名付けたの。やがて、それなりの富を得た。家が家族を守り、私たちが家を大事にした。」

話を聞いたドーンは「あの家にいる何かはきっと悪いことを引き起こす。」と言い、呪文を唱えたことを明かします。ノナは「魔法は遊びじゃない。教えたでしょ?」と叱り、ドーンに事情を聞きました。

ドーンは全てを明かしたあと、「私たちは何かに取りつかれているの?」と尋ねると、ノナは「誰でも何かに取りつかれてる。過去や失敗、罪にもね。」と応えます。外で嵐が吹き荒れるなか、ノナはドーンに「ここにいれば安全だよ。」と励まします。


その頃、自室でうずくまっていましたブッチはバリケードを外して部屋の外に行きました。そこで彼は階下を覗き込んでいましたが、黒い人影に突き落とされてしまいます。周りには複数の人影が彼を面白そうに覗き込み、彼は何らかの力で地下室の小部屋へと引きずられていきました。

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小部屋に放り込まれたブッチはこの家で起きたこれまでの光景を見せられてあと、黒い人影が小部屋に侵入し、ライフルを差し出す人影の姿を見つめました。それを見た彼は叫び声をあげますが、家族は誰も気づきません。

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何も知らない家族は気づくことなく全員各部屋でうつ伏せで寝ていました。そこへ、ライフルを持ったブッチが装填し、2階の両親の寝室に向かいます。ブッチは躊躇うことなく十字架を握っていたルイーズを射殺します。銃撃音に気づいたロニーが掴み掛かりますが、銃床でロニーを倒し、ライフルで何発も止めを刺します。

次にブッチはアリソンを射殺すると、子供部屋に行きました。寝ぼけていたジョディは「ブギーマン?」と呟きますが、彼は躊躇いもなくジョディとマークを射殺します。


同じ頃、ドーンはノナの部屋で目覚めます。時計が3時15分を差し、彼女が水を飲もうとしていると、机にあった車の鍵を落としてしまいます。ドーンがそれを拾うと、ベッドの下に小箱があることに気づきます。中を開けると、そこにあったのは『モイナハン一家殺害容疑で起訴』『神に命じられたと供述』と書かれた新聞の記事と木の十字架でした。不吉な予感を察した彼女は身支度をして家に戻ることを決意しましたが、リビングにいたノナが「今夜は危ないからやめときな。」とドーンを引き止めます。

ドーンは震える声で「何をしたの?」と尋ねると、ノナは「彼らは怒ってる。あの家に帰ってはダメ。」と多くを語りません。ドーンは嵐のなか、アミティヴィルの自宅へ戻ります。

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家に到着すると、ドーンは手ぶらで中の様子を確認しました。そこで彼女はブッチ以外の家族がベッドでうつ伏せのまま死んでいることを知り、悲鳴をあげます。すると、ライフルを持ったブッチがドーンの前に現れ、ドーンが泣き叫び、命乞いをしますが、ブッチは反応せず、稲光で彼の顔に被る別の形相が浮かび上がります。

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ドーンはパニックの末に自室に隠れると、ドアノブに椅子の挟んで窓から逃げようとしますが、鉄格子がかけられていたために逃げることが出来ません。暫く嗚咽を出していた彼女はそこでブッチの「逃げ道などないんだ。」という発言、ルイーズが語っていた最近見た悪夢の話、そして彼女自身が聞いた「ここにいろ」と話す『彼ら』の言葉を思い出します。ドーンは目の前にあったネグリジェに目をやると、普段着から着替え、泣きながらベッドに入り、うつ伏せで目を閉じます。

ブッチが扉を叩いて椅子を外し、部屋に入っていきました。ドーンは「このまま眠らせて、お願いです。神様。」「目覚める前に私が死んだら私の魂を神様の元へ。」と泣きながら祈りますが、ブッチはドーンの首に銃口を向け、無表情で彼女を殺しました。正気に戻ると、彼は不思議そうな顔でドーンに声を掛けました。

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朝になり、嵐が去ると、ブッチはドーンが死んだことを知って遺体の前で嗚咽を出していました。


(冒頭の電話はこの場面のあととみられる。)


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※当時のニュース映像

「住宅地で一家6人が射殺体で発見しました。就寝中に襲われたようです。被害者の身元はデフェオ家の親子と判明。第1発見者は23歳の長男で事件の唯一の生存者とみられます。」

※字幕
ロナルド・ブッチ・デフェオJr. 通称ブッチは両親と4人の弟妹の殺害を自供。精神異常を主張したが、有罪が確定した。6回の終身刑で現在も服役中。

なぜ全員、銃声で目覚めずうつ伏せで死んでいたのか。その理由は今も謎のままである。

(『霊が殺させたのか?』と書かれた雑誌の記事、ブッチ以外の家族の遺体の写真、家族が微笑む写真や肖像が流れる。)


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本編に戻り、現場に来ていた警官が生き残っていた飼い犬のシャギーを出てきました。また別の警官は大金が入ったカバンをブリガンテに渡し、ブリガンテは黒い車に乗り込んで静かに去っていきました。その後、ブッチは刑事と共にパトカーに乗り込みます。

※字幕
消えた金は見つかっていない。


その後、ブッチは刑事と共に家をあとにします。



13か月後、リフォームされたアミティヴィル112番地の家にラッツ夫妻がやって来ます。不動産屋の女性は誇らしげに「アミティヴィルでリッチな暮らしを…。」と言います。

1975年12月、ジョージ・ラッツが家族で入居。心霊現象に悩まされ、28日後に逃げ出していった。この家は今も幽霊屋敷として世界的に有名である。

(『悪魔の棲む家』に続く?)


THE END


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感想

この映画は『アミティヴィルの恐怖』の元凶とされる、1974年11月13日に起きたデフェオ一家殺人事件を『ヘイヴンハースト』『ハリウッド 1969 シャロン・ステートの亡霊』で知られるダニエル・ファランズ監督が実写化したホラー映画。邦題は『悪魔の棲む家 REBORN』となっていますが、あくまでもリメイク作品ではありません。


8月30日に公開される『ハリウッド 1969 シャロン・ステートの亡霊』の監督作品ということで、騙されたと思ってつい観賞してしまいましたが、結論からすれば普通以上だけどそんなに傑作ではない感じの作品です。

実話ベースのホラー映画ではあるんだけど、どちらかと言えば心霊ホラーやオカルトホラーのような要素もあれば、犯罪者の心理描写を描いたドラマ映画のような側面もある作品でした。主人公はブッチとドーンになっているのですが、どちらかと言えば前半はドーンの視点が多く、後半はブッチの視点が中心的に描かれていました。


ラストはグロ描写は敢えて控えめになっていたものの、ブッチが取りつかれてから家族全員をライフルで射殺していくシーンは胸糞が悪く、とても救われない気持ちになりました。なかでもジョディが寝ぼけて言葉を発している描写はブッチが躊躇うことなく殺すという残酷さを演出させていて、最低でも映画的に見せていました。

それを踏まえて、ラストで挿入される家族の遺体の写真や当時の映像なんかを観ると、明らかにこの事件がいかに恐ろしいかが伝わりました。どうやら裁判でのブッチの証言を基に丁寧に描かれたらしく、前半にブッチがドナから貰ったドラッグを服用するシーンがあるのでドラッグ中毒者の暴走という見方もなくはないんだけど、もしこれがブッチが霊的な何かのせいで犯行に及んだとしたのであれば、とてもじゃないけどブッチにとっては不条理で可哀想だし、客観的に見ると恐いですね。

ただ、手堅く真面目に描いているし、本編を観ると力量が伝わってくるのですが、いまひとつ目新しさや突飛した描写や演出がないのでどうも物足りなさが否めなかったと正直に思いました。あの霊を黒い人影で表現するのはちょっと名探偵コナンの犯人みたいで怖さはなさそうだし、ラストでブッチが正気じゃなくなる描写はもうちょい力を入れて欲しかったです。


ラストのドーンの行動は賛否が分かれそうな描写でした。そもそも殺される覚悟でうつ伏せで寝るのであればもうちょっと鉄格子を壊したりするとか、血縁関係無視してブッチに立ち向かうこととか出来なかったのかとかなり不思議に感じました。それ以前にあの幽霊(彼ら)がドーンに大きな影響をもたらしたというのはあるんだけど、少しドーンに肩入れしにくいです。


実話とはいえ、気になったのはラストで「いい人だと思っていた人物が実は…」みたいな展開があったのですが、『デフェオ一家殺人事件』の詳細が書かれたサイトが少ないこともあり何とも言えない点ではあるんだけど、はっきり言えばフィクションかノンフィクションかが分かりにくいですね。あの展開を観たときはミステリー系の連続ドラマを途中までしか観てない釈然としない感じを味わいました。もしフィクションならノナかブリガンテが誰かからドーンが死んだと聞かされたときの反応が観たかったですし、
ロニーの秘密を少しだけ掘り下げて欲しかったです。

ちなみに海外の映画批評サイトでこの映画の評価を観たところ、実はかなりの低評価をされている作品であり、これは皆が酷評してもしょうがない作品ではありました。『ハリウッド 1969 シャロン・ステートの亡霊』の出来が心配です。


ということで、実話映画としてオカルトホラーとしてはそこそこ観れる映画だし、デフェオ一家殺害事件がベースなのでこの事件のことを知るとどれだけ恐ろしいのかが分かる作品なんだけど、正直言ってホラー演出を工夫したりストーリー展開を工夫すればもっと恐怖感が増したかもしれない非常に勿体無い映画でした。マイク・フラナガンさんとか、スコット・デリクソンさんとかもっとメジャーな監督なら秀作だったと思います。それでも気になる方は是非ともレンタルや配信で観てみてください。