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今回は面白いんけどちょっと登場人物に感情移入しにくそうな日活ロマンポルノのひとつをお届けします。


風に濡れた女

主演:間宮夕貴 永岡祐

出演:テイ龍進 鈴木美智子 加藤貴宏 中谷仁美


・あらすじ

海辺近くの小さな田舎町。

山道で柏木という男がリヤカーを引いていて、この日は木製の椅子をリヤカーに入れ、港で休んでから家に帰ろうかと考えていた。

すると、女が自転車に乗って全速力で港の海に突っ込んでいったではないか。女は自転車を置いて海にあがると、女は着ていたTシャツを脱いで上半身裸になってTシャツを絞ると、茫然となっている柏木に「良かったら今晩、泊めてもらえないかな?」と声を掛けるのであった。

しかし、柏木は女の要求を拒否し、結局女は柏木が住んでいる家の近くまで寄って来たものの、「あんた、私にロックオンされたんだ。逃げられると思うなよ。」と言って去っていくのであった。

翌日、柏木は定期的に発電機の点検をしにやって来る湯沢と共にコーヒーを飲もうとコーヒー豆を貰いに喫茶店に行った。すると、そこには昨日訪ねてきたあの女がウェイトレスとして働いていて、女は昨日のような態度を取らなかったが、柏木は動揺を隠せない。

そして翌日、無人販売で売られていた野菜を買って帰宅した柏木だったのだが、そこには柏木の小屋で勝手に別の男性とセックスをするあの女の姿がいたのであった。



・感想

笑えた。ただただ笑えた。


アンチポルノ
https://blogs.yahoo.co.jp/yukey19971128/41071649.html


この映画は、昨年の11月に講評した「ANTIPORNO アンチポルノ」を含めたプロジェクト作品「日活ロマンポルノリブートプロジェクト」のひとつで、「どろろ」の塩田明彦監督の初のポルノ作品です。

ざっと結論を言うと、コメディ路線ということもあってただただ面白い。しかし前回観た「ANTIPORNO アンチポルノ」が結構抽象的で意味が深そうなテイストだったのに対して、こちらは意味のありそうなシーンは少々あるんだけど、コメディ路線に行きすぎてちょっと物足りないところがあり、しかも説明が難しく、なおかつ登場人物に感情移入し難い描写もあるのでなかなか賛否が分かれそうな映画ではありました。


あくまでも日活ロマンポルノとはいえ、
80分前後としては結構健闘してそうな出来栄えなのですが、世界観がまさに奇妙としか言いようがなく、エロティック映画としては初心者でも観れそうですが、
最早内容自体はちょっとですが、納得いかない感じが否めませんでした。




冒頭、山道でポツンと置かれている椅子を見つけたリヤカーを引く男。男は何か足しになるかと思って取りあえずリヤカーに入れます。

その後、港に行って文庫本を読む男。しかしそんな平凡な時間が続くわけもなく、広野から突如女が自転車で海に突っ込んで来たではないか。

暫く女を見つめる男。女は海から上がってTシャツを脱いで上半身裸のままでTシャツを絞る。

「あんたこのへんの人、良かったら今晩、泊めてもらえないかな?」

そうお願いする女だったのですが、男はリヤカーを引いてスルー。これにはキレて執拗に追いかけて来ます。

女は抵抗の末に粘り強く男に肩車を試みるも男に振り払われてしまい、更に女は激怒。

そうして、女はコロコロと表情を変えながら男を粘り強く追いかけた末に男が住んでいるボロ家の近くまで来てしまいます。

だが男は「女はもう卒業したんだよ。」と言って頑なに女を追い払おうとしますが、「だったらこれはなんなんだよ。」と言って女は背後から股間を鷲掴み。これには男は切れてしまい、女に「日が暮れる前に他をあたった方がいい。」と言いましたが、女は

「あんた、私にロックオンされた。逃げられると思うな。」

と言って去っていくのであった。


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以降、その日の夜は男は野犬たちの鳴き声を聞きながらひっそりと晩飯を済ませて静かに夜を過ごしました。


翌日、町の整備工場で働く湯沢という若い男性が訪ねてきます。湯沢は男のボロ家の発電機のバッテリーを補充をしにやって来ます。男はついでにお世話になっているらしい喫茶店のところに行ってコーヒー豆を貰いに行こうと、男は湯沢と共に喫茶店へ。

どうも、喫茶店の店主久保内さんは男の先輩にあたる人物で久保内さんの奥さんは事実上の男の後輩、大学時代はそんなに面識はなかったそう。そして久保内さんは最近妻と子供が家出したそうで、家庭がちょっと危ぶまれている状態。

喫茶店に入ると、久保内さんと何故かウェイトレスで働いている昨日のあの女が……。久保内さんは男と女の関係性が気になったが、ふたりははぐらかします。その後男はコーヒー豆を久保内さんに頼みましたが、どうもいけすかない表情をします。

男と湯沢はテーブル席に座って暫く待機。その間に湯沢が趣味で書いている詩を聞いていた男でしたが、接客中の女が妙に気になってなりません。一方で女は
喫茶店に通いつめているサーファーたちと会話をしています。

夜、久保内さんと女がふたりっきりになっていると、久保内さんは今日の売上を計算しているときに女に向かってキスを仕掛けると、「浩介(男)とは一体どういう関係なんだよ!」と問い詰めます。そして久保内さんは女を床に押し倒すと女の着けている下着をずらして女の乳首を舐め回していきます。

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そんなことしたら奥さんが……と説得せんとする女でしたが、間もなくして女は押し殺したような声しか出せなくなってしまいます。


翌日、その日はリヤカーを引いて畑近くの無人販売所で野菜を買った男。男がボロ家に戻ると、家の近くには何やらサーフボードを積んでいる自動車が停まっており、更に家を覗いてみると、女が押し殺したような声と共にサーファーらしき男性とセックスをしている光景がそこにはありました。(サーファーらしき男性は昨日来ていた喫茶店の客の一人。)

男は何事もなかったかのようにそのサーファーと女にコーヒーを渡して3人で囲むことに。男はサーファーに名前を訊こうとしましたが、女は「いいよ名前なんか、どうせ会わないんだし…」と言われたのでサーファーは男に向かって自分の名前を言えなくなります。このとき、女
は男に「だんだんやりたくなってきたでしょ。やったらあんたの負けだから。」と言うのでした。


夜、何故か自分が持ってない携帯電話の着信音が聞こえ、目覚めてしまった男。男は携帯電話を拾うと、応答しましたが、電話の相手はサーファーとのセックスをしている最中のあの女の声でした。
女は男にセックスをさせようと仕掛けようという魂胆でしたが、このときはまだ男は女の誘いを無視します。それから何度も携帯電話の着信音が鳴り止まないので、男は携帯電話を外に放り投げました


夜中、山には野犬や野鳥の声だけではなく、どうしてか虎の鳴き声も響いていて、男は驚きます。

(携帯電話はサーファーか女の所持品とみられる。)

翌日、昼にまたあの女がやって来ました。どうやら昨日置いたあの携帯電話を返してほしいとわざわざやって来たのだ。

女は男になんでこんな生活を送っているのか?を訊きました。

この男の名は柏木浩介。東京でしがない劇団で劇作家をやっていた男なのだが、訳あって孤独になるために小さな田舎町にやって来たそうな。

柏木と女が話していると、虎の鳴き声がしました。柏木は「あれは森の主の声だ。」と説明します。女は間もなくして柏木に「私って女優に向いてたりしない?」と言ってきたので柏木は女に演技指導をすることにしました。

柏木は女に色んなバリエーションの「嘘」「本当」という言葉を女に発言させたり、木の棒を使って押し合いをしたりと本格的な指導をするなか、突然久保内さんが車に乗ってやって来ました。女はすかさず久保内さんから逃げます。

久保内さんはあの女に要があるようで、
「あの女に手出したら何するかわかんないぞ。」と言って柏木に向かって怒りを露にしました。

久保内さんはあの女がいないことを機に車に乗って去ろうとしましたが、女が陰で久保内さんの車に石を投げつけてちょっかいを出します。女がやってるとも知らず、久保内さんは石を投げつけたのは柏木だと認識し、「俺たち夫婦が壊れたのはお前なんだよ!」と罵倒します。

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そして、久保内さんは柏木に怒りのキスをお見舞いさせると、「これ以上俺の女に手出したら殺すぞ!」と言って車に乗って帰ってしまいました。


久保内さんがいなくなり、女が姿を見せました。

「あれは怒りのキッスだったね。」

怒った柏木は女に乱暴を加えた末にボロ家のベッドに女を押し倒して無理矢理セックスしようとしましたが、女が柏木の頭に空き瓶で叩いて反撃。そして柏木の口に指輪を入れると、「まだそのときじゃねぇんだよ。」と言って去っていきます。

(女は柏木の人間関係を把握しているのかは不明だが、柏木の周囲の人間が離れる隙を狙っている模様か。)


後日、柏木と湯沢は久保内さんのいる病院へと行きました。車中にて湯沢の話によると、あの女の名前は汐里という女性で、町のサーファー連中と泳ぎ回っているそうで、どうやら久保内さんと汐里と肉体関係を持っているサーファーの一人と喫茶店で喧嘩を起こして病院になったそう。

久保内さんの奥さんは久保内さんに電話を試みましたが、どうも電話は繋がってくれないんだそうで、病院から繋いでも結局久保内さんと電話をすることは出来なかったそう。

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病院にはどういうわけか、まるでミイラの状態で仰向けになっているサーファーとみられる人物が久保内さんの隣にいるなか、久保内さんのところに柏木と湯沢が訪ねてきます。

柏木はこの時久保内さんを慰めようとしていたのですが、柏木は久保内さんの左手にあった婚約指輪がないことに疑問を覚えます。久保内さん曰く婚約指輪は
汐里が口の中に入れたようで、今頃あの指輪は糞尿まみれになってるだろうと推測しました。

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これにはあの指輪が久保内さんのものだと知った柏木は吐き気を催します。久保内さんはあんな生活をしてるからと言い、久保内さんは喫茶店の鍵を使ってもいいと言って暫くは柏木に喫茶店の鍵を使って出入りさせることを許可し、喫茶店の二階の部屋に住むようにと勧めました。

久保内さんは妻にどうしても伝言したいそうで、「俺はまだやり直したい。やり直すつもりだ。」と。柏木は俺は本当に奥さんとやってないと改めて久保内さんに釈明しました。久保内さんは「わかってるよ。いいんだよそんなことはもう。気にしてないんだから。」と言いました。

(汐里を捜している際は、柏木と奥さんは関係を持っているのではないかと疑った。だが今となっては頭が落ち着いたこともあってか、久保内さんは柏木が奥さんと関係を持っていないことは信用したとみられる。)


帰り際、柏木は湯沢に久保内さんの婚約指輪を渡して返すように託すことにしました。その間、湯沢には渡す際は自分の名前を出さないで欲しいと湯沢に伝えます。柏木が帰ったあと、湯沢は車内で婚約指輪を物憂げな顔をして見つめていました。


暫くして、新たな来客がやって来ました。それは柏木がかつて在籍していた劇団のメンバーでした。そして主宰の響子が家に上がり込んできます。しかし柏木は「女ってやつと縁を切りたくてここに来たんだ。」と言って家を出ます。

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家を出ると、劇団のメンバーが待っていました。メンバーは全員奇妙にも柏木と同じ服装を着ていた30代ほどの男性4人が均等に並んでいて、それぞれ新入りの劇団員です。そしてもう一人、新入りの女性がいました。彼女は夕子という物静かな眼鏡の女性で、響子の助手であり、柏木の大ファンでした。

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劇団は東北地方を中心に公演を転々としていましたが、地震の影響で次の公演がとれなくなってしまい、暫くは柏木の家の近くで一夜を過ごすことに。

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柏木はなくなく劇団の演劇に付き合うこととなりました。響子は劇団員の演劇を見ていましたが、あまりにもダメだったので厳しく指導します。夕子は響子の指導を聞いては真面目にノートにメモしていました。

暫く響子が指導していると目の前で生着替えをしている汐里を発見。柏木は響子に汐里を「この辺をうろついている野良犬だ。」と説明しました。響子は汐里に演劇の感想を求めましたが、汐里は野良犬の真似を挑発しました。

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響子は汐里に物語の設定を説明しましたが、突然真面目に話しかけていきます。
そして響子は汐里に犬のオスカルの役をし、響子は飼い主の役で配役させました。汐里は異論を唱えつつも乗っかることにして、少し設定を付け加えながらもそのままふたりは即興劇にのめり込んでいきます。演技を終えた汐里は手応えを感じると、またどこかへ姿をくらましました。

夜、響子は柏木に会えなかった寂しい気持ちを埋めるかのように、ベッドで柏木に身体を重ねようとしました。「脱ぐだけ…入れるだけ…」と言いつつも、響子は
全裸になり、更に柏木のズボンとパンツを下ろすと、セックスをしては幼げな声を出しました。

と、そこに電灯を持って全裸の汐里が突然セックス中の響子に背後から仕掛けて来ました。こうなればと柏木は上だけ脱いで3Pを試みましたが、汐里は響子にレズプレイをしたかったそうで、柏木は下だけ履き直すと、一旦外に出ることにしました。外にはテントで寝ている劇団員4人と夕子が椅子に腰掛けて響子の喘ぎ声を聞かないようにと耳を両手で塞いで苦悶の顔をしていました。

柏木は夕子に目をやるとどういうわけか夕子の両手を腰に置かせて、眼鏡を外すと、ゆっくりと夕子の上に羽織っていたカーディガンを脱がせました。そこからお姫さま抱っこをした状態でキスをすると、夕子を地面に置くと、ゆっくりとブラウスを脱がせました。

と、行動に移そうとする柏木の前に汐里が家から出ていきます。汐里が家に出たのですかさず柏木の目線は夕子ではなく汐里に向けるようになっていきます。

柏木は夕子のブラウスを脱がせたあと、
着ていたブラジャーをずらすと、夕子の胸を吸い上げます。一方、汐里は柏木の気を引くためか、劇団員の一人をワゴン
車に連れ込んで車中セックスをしました。


柏木はそれを見てる間に夕子とセックスしていたものの、汐里が車中セックスしている間にだんだん他の劇団員も吸い寄せられるようにワゴン車へと行列を作って向かっていきます。

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そして汐里との車中セックスは劇団員4人に一人ずつ行うらしく、柏木は驚きつつも夕子とのセックスをやるしかありません。ひとり取り残された響子はただただ物思いにふけてベッドでくつろいでいました。


翌日、柏木は全裸で家の中のベッドで横になっていました。すると、目の前に夕子がそっとコーヒーを渡してくれたので少し驚きました。柏木は慌てて衣服を着てから外に行くと、いるのは夕子のみで、響子ら劇団員たちは既に福島県に行こうと出発したそうなのです。そして唯一夕子は柏木の世話をしようと柏木の家に残っていました。


柏木は昨日のことを踏まえて、夕子に自分の他に誰かとヤったかを訊いたところ、夕子は高校時代に体育の先生に無理矢理セックスされたことを明かします。それを聞いた柏木は夕子のことを考えたのか………夕子を追い出そうと優しく接しました。

「そうか。それは辛い思い出だ。だけど君には力がある。過去を乗り越えて自分の足で行く力が、何処へでも好きな場所へ行く力が…」

「さあ、進むんだ。君が進む先に運命の人が待ち構えている。」

が、夕子は柏木を抱き締めてはまだ未練たらしくします。

だが柏木は顔色を変えることなく、夕子を突き放してしまいます。夕子は未練はあるものの、仕方なく柏木の前から立ち去ることにしました。

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(あくまでも推測だが、夕子が柏木の側にいたいという気持ちは受け止めてはいる。だが、昨日夕子が響子と汐里とのレズセックスでの喘ぎ声を聴きたくない様子をしていたので性行為での心の傷を広げたくなかった。または昨日で汐里との決着をつけていなかった以上、夕子の気持ちを受け止めたうえで敢えて夕子を引き離すしか方法がなかったのかもしれない。)

そのあと柏木は陰でこっそりと見つめるある人物を発見します。それは汐里で、この場所に残ったのは紛れもなく柏木と
汐里しかいませんでした。

(汐里は柏木と関係を持とうとしていた女性の影が離れることを狙ってこのタイミングを伺っていた?)

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ネタバレ

汐里と柏木は柏木の家の周辺でバトルを繰り広げていきます。まるでどちらが主従するかされるか…どちらが犬かどちらが飼い主か…………


攻撃はやがてエスカレートしていき、ついに汐里と柏木は家の中でセックスするようになっていきます。


その頃、響子は汐里が柏木を奪ったことが許せずに悔しいのか…………急にワゴン車を停めると、劇団員の一人を連れて広野に行くと、そのまま劇団員とセックスをしました。他の劇団員3人もまた響子のところにいってゾロゾロと歩いていきます。

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(昨日同様に響子とセックスをする模様。この行動からして響子は柏木を諦めてはなさそうだが、昨日の件で汐里に妨害?されたために今の状況では柏木と関係を結べないと思った?)


で、柏木に追い出されたのにも関わらずのほほんと口笛を吹いては山道をぷらぷらと歩く夕子。
(よく分からないが、柏木と側にいられないので途方に暮れているのかも?)

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暫く歩いていると、そこには詩を読みながら立ち小便をする湯沢の姿が。湯沢と夕子はまるで運命に導かれたかのように目と目を合わせます。

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そして湯沢と夕子もまた車中にてセックスをしました。湯沢は夕子を口説き回すと、久保内さんの婚約指輪を夕子の左手の薬指にはめました。すると、夕子は嬉しそうに挿入しつつも湯沢を抱き締めては応えるようにキスをします。

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汐里と柏木が柏木のボロ家でセックスをしていると、柏木のボロ家は跡形もなく倒壊しました。暫くすると汐里はカッターで倒れたボロ家の屋根を突き上げてからまた柏木の身体に股がってはセックスをします。

その後、柏木と汐里は場所を変えて久保内さんの喫茶店をセックスを行います。あるときは店内のソファーで、あるときは厨房で抱き合いながら…。


夜、セックスの最中に久保内さんの奥さんから電話がかかってきました。柏木は電話に対応し、久保内さんの奥さんに久保内さんの伝言を伝えようとします。

「あの、俺はまだ奥さんとやり直したい…やりたいって。……違う。違うんだ。」

しかし、汐里のあまりにものアプローチの末に伝言が「俺は奥さんとやり直したい」が「俺は奥さんとヤりたい」になってしまいます。柏木は汐里の性急にも攻めてくるので久保内さんの奥さんとの電話を途中で止めて受話器から手を離してしまい、つい汐里とのセックスに夢中になってしまいます。


翌朝、柏木が目を覚ましました。あたりを見渡すと、汐里は喫茶店から消えていて、電話はあれから応答がない状態でした。


セックス後なのか、裸エプロン?の状態で車を走らせる湯沢。

「どこへ行く?」

「あなたとなら、何処へでも。」

その頃、湯沢と夕子は車内で結ばれ、お互いに両思いのまま何処かへと車を走らせていきます。


カーオーディオにはAMラジオで動物園の虎が脱走したものの、保護されたというニュースが流れます。
(柏木の家の周辺で虎の鳴き声がしたのは動物園の虎が周辺にいたから。)

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一方、記憶はあるのか、呆然と崩壊したボロ家を見渡す柏木。そして倒れていた椅子に目をやると、柏木は椅子を立たせました。すると、椅子には

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「イヌはどっち?」

と汐里からの伝言が書かれていました。しかし、柏木は我に返ってふと頭をよぎりました。

あの日イヌだったのは自分なのだと。

「ワン。」


THE END

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「どうしようもない恋の唄」「ビジランテ」「オトナの恋愛事情」「ギフテッド フリムンと乳売り女 」の間宮夕貴出演のこの映画。



心機一転して自給自足の生活をしている元劇作家の男性のもとに、まるで日常をぶち壊すかのようにビッチそうな女性が毎度家に訪問してくるというちょっと面白いコメディ映画。見ててまあ笑えました。

特にラストと後半に出てくる劇団員4人がホイホイとセックス目的?でやってくるシーンなんかは驚きと共に非常に馬鹿馬鹿しい。というか、セックス要員でしかないのかと本当に笑いたくなります。

あと、整備工場の湯沢もまた、一見サザエさんのサブちゃんみたいな見た目をしつつも他人の婚約指輪を無断で使って堂々と通りすがりの眼鏡美人(出会ったときは裸眼だったけど…。)をゲットして「何やってるんだろう。」と言いたくなると同時に「お前、やるなぁ。」と思いましたよ。


しかし、なんでしょう。日活ロマンポルノでは結構濡れ場をふんだんに盛り込んでいるのは分かるし、勿論これでもエロ系の映画としては初心者でも観れそうな映画ではあるけど、どうしてもストーリーの運び方はテンポがいい分、登場人物の心理描写というのはちょっと理解しがたいシーンの連続でした。

約80分とはいえ、これが限界かもしれませんが、個人的には結構な人物描写を理解しないとオススメ出来にくいし、かといって何故か柏木と夕子との濡れ場はエロくて良かったのにも関わらず、柏木と汐里のラストの喫茶店での濡れ場がそんなにエロく感じないのが凄く見てて不思議に思えました。

もしかしかたらですが、個人的に汐里よりも夕子の方が可愛く見えたかもしれないなぁと思いました。役柄上汐里がサバサバしてるのに対して、夕子がどこか深夜アニメか少女漫画にいそうな健気な女性という印象があったので私としては夕子の方が好感がありましたね。


ということで、所々に面白い要素があってとても面白かったこのコメディ映画。だけど登場人物の描写、または行動がぶっ飛び過ぎていかにも賛否が分かれそうな映画だったので気になる方は是非ともレンタルしてみてください。

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