mc303

1995年にRolandから発売された、元祖グルーヴボックス。

テクノを始めとするクラブ向けの音に特化した音源、

リズムマシン、シーケンサ、アルペジェータをコンパクトな筐体にまとめ、

かなり安めの価格で発売されたMC303は当時のテクノ少年達に好評を博しました。


発売された時期はテクノブームに便乗する形で、

TB-303、TR-808、TR-909が異常に高値で店頭に並んでいました。

(アナログのリバイバル時期でもあり、アナログシンセ類は総じて高めでしたが)

状態の良い303と909にMTRでも買おうものなら結構な出費は覚悟する必要があったのです。

そんな中発売されたMC-303は実売5万円前後と、

かなり良心的な価格と、見た目の良さであっという間にヒット商品となります。


TB-303アナログですし、TR-909も皮物はアナログでしたが、

MC-303は完全にPCMのみの構成となっています。

実際に音を聞いてみると、ドラムパートの音は薄いですし、

シンセパートに関しては、完全に別物でした。

ローブーストなるEQで低音の補正が出来たので、音圧はある程度誤魔化せたのですが...


名前から連想して、ハードミニマル等を作ろうとすると、

あまりDAが良くない事と、一つ一つの波形のデータ量が少ない為、貧弱な音になってしまいます。

音数の多いトランス等を作ろうとすると、8トラック28音という同時発音数がネックになります。

あえてチープさを狙うので無い場合、今現在使うのは厳しいかもしれません。


それでも、レゾナンスやカットオフをリアルタイムで弄れたり、

パート抜き差しで曲を構成していけるこのマシンは、

多くのテクノ好きのおもちゃとしては良く出来ていました。

何よりも手軽なのが良いです。A4より少し横幅がある程度なので、

ベットに持ち込んでダラダラ打ち込む時などに重宝します。


残念なのは音源として使用した際にはノブを操作できない事と、

メモリが少ないため、あまり多くの曲を保存出来ず、外部メディアへの保存も出来ない事。

一応バルクダンプで他のシーケンサへデータを送れるようですが。


発売当時、私はロンドンに住んでいたました。

日本から送ってもらっていたキーボードマガジンの記事を読んで欲しくなり、

セントラルの楽器屋で500ポンド(当時1ポンド=約175円)位で購入したのを覚えています。

今も日本仕様のACアダプタで元気に動いています(出番は少ないですが)。

私的に最も良い時期の記憶と重なるせいか、MC-303に対する評価は少し甘いかもしれません。