清代末期の西太后は歴代の皇后に反して、「自分」のために化粧をし、美容は健康長寿のためであると考えていました。中国第一級資料「清宮医案」などに彼女がどのように化粧・美容・健康について考えていたのか記載されているので、その中でも興味深いものを少し紹介したいと思います。
              (↓70代の西太后)

365日分の1日記



《化粧》

①彼女は女として化粧しなければ生きる甲斐がないとよく言っていたといわれています。
彼女が使用した化粧品の中には、新鮮な大量のバラで作られたクリームがありました。
彼女自らバラ油を製造することもあったようです。
また真珠の粉は毎日飲んでいたといいます。

365日分の1日記 365日分の1日記

↑水晶や瑪瑙で出来た美顔器と飲用していた真珠の粉

②彼女の顔にはシミのようなものが多くありました。そのために、御医が16種類の漢方薬から「玉容散」を精製しました。これを砕いて顔に塗り、瑪瑙で出来た今でいう美顔器でマッサージし、皮膚に浸透させました。



《食事》

①過度のストレスで化粧では隠せないほど顔色が悪くなりました。その時、御医が作ったのが、8種類の補薬を組み合わせた「八珍糕」です。
長期期間服用すると、脾臓と胃を保養し、顔色を回復させる作用がありました。
これ以降、彼女は食事療法としてこの「
八珍糕」を死ぬまで食べ続けたといわれています。
彼女は、食べ物で薬物の効果を得ることを知っており、これだけでなく花や豆類など日常的に食べていました。

《保髪》

彼女は髪が抜けると癇癪をおこしたといわれています。
1日3回のブラッシングの時には、部位によって櫛を使い分け、「香髪散」という14種類の漢方を油で混ぜた物を髪につけながら梳かしました。
また髪を洗わない習慣を止め、「菊花散」という9種類の漢方を混ぜた薬湯で洗うことで、髪が抜けることはなくなったといいます。

《歯》

70歳近くなっても入れ歯や欠歯はありませんでした。
常に漢方が入ったもので口をすすぎ、磨いていたからです。

365日分の1日記 365日分の1日記

↑処方箋と脈診の記録



上記に記したのはほんの僅かです。
彼女は不老不死を追求しました。それは権力を永遠に握っていたいというだけでなく、永遠に美しく健康でいたいという欲求でもあったのです。
それを支えたのが中国伝統の医学です。
飲食と漢方で彼女は表面だけでなく内側も健康でいることができました。

彼女のライフスタイルを垣間見てみると、女性はいつの時代も同じことを毎日やっているということがわかって面白いですね。


しかし、70歳を越えても、髪は豊かで、顔艶も良くて彼女の美容法の効果の程がよく分かります。
そしてそれが中医学に基づくものだということは、中医学を勉強している身には心強いです。


nekoにゃ



風邪の時は、口の中が風邪菌の味がすると言っても誰も理解してくれない・・・ううっ...
絶対にするのに。
今から学校の課題をやって間に合うはずがないけど、頑張る。