普段私が夜の9時を過ぎるとお酒を飲み始めてたのを知ってたんでしょうか

病院から連絡があったのは午後8時15分だった


家族の方すぐ来てくださいとのことで
一秒一分でも母より早く着けば自分だけでも立ち会えるかもしれないと思って
バイクで飛び出したけど

後から考えるとたぶん連絡があった時点ではもう  


だった気がする

嘔吐があり
その処理の中でのことだったとのことで

爆発したような表情だった
最後まで戦ったんだ


昨日は一週間分の仕事を済ませた疲れ
おとといは父のこれからについて朝の9時から夜の9時まで動いた
その中には夜眠らず看護婦を困らせる父に病院の外まで車いすで散歩
深夜出入り口から出たために迷子


きょうもどうしてこんなに眠いんだろうといいながら

父のところに行きますと
詰所でお預かり状態で

お風呂に入れてもらってさっぱりした様子

食事まで時間があるので
病院の裏のほうまで車いすで散歩
寝巻の上からカーディガンを着せるとき
七分なので袖が中に入るのを手の側からひっぱると
わたしの腕をさすって
笑った


おかゆをざざっと4,5口食べてもう満腹
でも
こんな風に自分で食べるのを初めて見たと喜んでくれた看護婦さん
昼夜逆転して看護婦を困らせてるようなので
車いすにつけたまま
横になりたいのを我慢させてて
じいっと
我慢して




おとといの夜は
この世にはいない友人や弟の名を呼んで
来てくれたから体を起こしてくれというので
看護婦を呼んでなだめてもらった

ときどき癇癪を起してたけど
愚痴も弱音も言わなかった

昨日あたりから
痩せたながらも男前になったなって思ってた


白い布の下  いい顔だ

きれいにしてもらって


ここのところ わからなくなった気もしたけど
でもちゃんとわかってたんだ
みえたものもちゃあんと合ってた 確かだった

声が聞こえてたね
誰が来たかわかってた
声のトーンでわかるんだ


私にこの一か月くれたものは
まだまだ大きく飛ぶものだろうと

命生かせるように

もらったもの


極大



あまのじゃくでやんちゃで賢かった ユーモラスな 父

時空を超えて私たちを守るものになる