燕山荘に荷物を預けてから、燕岳へ出発。
歩き始めてしばらくすると、前方に小さな人だかりが見えました。
登山者たちが足を止め、一様に驚きと笑みの浮かんだ顔で足元を凝視している姿です。
これはもしかして・・・
そう、雷鳥の親子です。
登山客を怖がる様子もなく、登山道を横切り丘陵にトコトコ登っていきました。
左に雛が一羽、右に親鳥
動きが早くて、写真は数枚撮るのがやっと。
雷鳥ってこのように簡単に遭遇する生き物ではないでしょうから、幸運だったと思っています。
コマクサ
白い花崗岩に覆われた急斜面にコマクサが群生するさまは、何とも言えない自然美です。
チシマギキョウ
12時23分 燕岳 2,763 m 登頂!
まだまだ元気のため、その先の北燕岳にも行ってみることにしました。
燕岳を下り、北燕岳へ
メガネ岩
このように隆起した岩が方々にあり、燕山荘のテント場そばにあるイルカ岩も有名。
その名の通り、イルカが空を見上げているようにみえる岩です。
燕岳を過ぎると、燕山荘が見えてきました。
赤茶系の屋根、外装が映えますね。
コマクサの向こうは槍ヶ岳
燕山荘に戻った後は、外のベンチで遅めのお昼ご飯。
初日に燕岳登頂を果たせたことを喜び、互いの頑張りを労いました。
これも、曇りの予報が一転、いい天気に恵まれたため予定変更して叶ったこと。
順天堂大学の夏山診療所
登りの道中、抜きつ抜かれつして何となく顔馴染みとなり、燕山荘で笑顔で労い合った方が何人かいらっしゃいました。
そのような方のひとりと外のベンチで再会し雑談していたところ、この診療所のお医者さんでした。
患者さんは主に、高山病による頭痛、捻挫など比較的軽度の症状の方が多いそう。
高山病の頭痛が生じた際は、横たわらずに体を起こした状態で安静にするのがよいとのこと。
夕飯は17時。
チェックインの順に夕飯の時間が割り当てられます。
夕飯は味、量ともに申し分のない内容です。
ハンバーグ、煮魚、サラダ、漬物、お惣菜などが盛られたワンプレートとデザート。
これにお代わり自由のご飯とおみそ汁がつきます。
白米は粘りと甘味がしっかりしていて、この標高でお米がこれだけ美味しく炊けるものかと驚きました。
燕山荘のラベルの付いた白ワイン
私は食後、食堂に隣接する喫茶サンルームでコーヒーを頂きました。
日暮れに近づく空を眺めながらコーヒーを飲む至福のひととき。
ケーキセットなども用意され、山小屋にいることを忘れてしまいそうになるクオリティです。
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燕山荘は日本国内でもホスピタリティの高さで一、二を争うともいわれる人気の山小屋だそうです。
廊下は磨き込まれて輝いており、トイレ、水場、相部屋スペース(3畳)、寝具は清潔感に溢れています。
また、スタッフ皆さんの応対がよく、気持ちよく感じられます。
私は高山病を抑えて無事に登頂できさえすればよいと思っており、山小屋に特段期待はしていなかったので、想定外の驚きでした。
消灯は20時半。
翌日の荷物の準備などをして就寝。
続く。