横浜美術館に出掛けてきました。
 

企画展名にあるこの公立美術館三館は1980年前後のいわゆる「美術館建設ラッシュ」の時期に開館した美術館です。
今回のコレクションはさまざまな西洋美術が一堂に会したもの。
 
横浜美術館の楽しみのひとつは、新しいコレクションを鑑賞できることよりも、むしろ既存のコレクションを以前鑑賞したときとは異なる展示形式で鑑賞できることにあります。
 
自分の持ち合わせの着物を、別の帯締めや帯と合わせると雰囲気ががらっと変わる。
そのような着こなしの知恵、工夫に似ているように感じます。
 
ひと昔前、コンスタンティン・ブランクーシの「空間の鳥」、イサム・ノグチの「マイアストラ、ブランクーシへのオマージュ」の造形作品ふたつが並べて展示されたことがありました。
このふたつの造形作品を並べて展示することに決めた際のエピソードを学芸員の方から伺い、とても感動したことを覚えています。
(普段、このふたつの作品が隣り合って展示されていることはないようです)

このほか面白いと思ったのは、アンディ・ウォーホールの作品のキャプション。
当時、多くのスターが、ウォーホールの作品のモデルになることを望み、モデルになれるとウォーホールの作品の一部になったことをとても誇らしく思ったそうです。
ウォホールは性的マイノリティの方をモデルにすることもあったようですが、あるモデルは、「自分の肖像画が高額の値段で売買された一方、自分は住む場所に困るような状態にある(My portrait was on sale for many thousands of dollars, while I can't afford a place to live.)」と皮肉を込めて語ったそうです。
 
横浜美術館はこの2月末までの企画展を最後に、大規模修繕のため約2年間閉館予定とのこと。
リニューアルオープンを楽しみにしています。