最近の素敵な出来事。
成田尚哉氏の個展に行って参りました。
銀座1丁目にまだこれほどノスタルジックなビルが残っているなんて露知らず、番地を追って辿りついたところは、いかにも古めかしく、けれど重厚なつくりの洒落た建物でした。扉を開けて一歩中へ入ると、空気も時間の流れも、そしてに匂いまでがガラリと一瞬にして変わり、まるで不思議の国に迷い込んでしまったアリスの気分でした。はじめに目にしたのは、時代を感じる美しい品のある陶器のタイルが壁一面に張り巡らされ、少し進むとそこにはなんと手動のエレベーター。本当はそれに乗って上階へ行ってみたかったけど、ちょっと怖くて今回は遠慮し階段を利用。階段がまたなんとも言えず素敵。むき出しになったコンクリートからは時の流れを感じずにはいられない。一体目的の部屋に辿り着けるのだろうかと、、迷路を彷徨っている感は半端なく、まさにわくわくドキドキ。きゃあー、素敵!!
中にはたくさんのギャラリーが入っていて気分はどんどん盛り上がる・・・
そしてやっとこさ「シネマ。バロック」にたどり着きました。宝の山を体当たりでかき分けて、ようやくたどり着いたような、さわやかで不思議な疲労感。しばしゆっくり見学させていただきました。
展示品のコラージュを見ていたら涙がほろほろ流れてきました。公衆の面前で恥ずかしかったけれど、止まらないからもう開き直ってバッグからハンカチを出してぬぐってました。すべてがピュアではかなくて、どこか安心させられ、厳粛な気持ちになりました。
成田氏は、「暗い作品です。墓場のイメージです。生きているものは蝶々しかいません。」と仰っておられましたが、微塵も暗い作品だとは思えなかったので驚きました。作家さんご本人を前にして、私は真逆の事を感じていました。私は死より生を感じたし、生きる喜びを感じました。けれど墓場と聞いて理解しました。はかなく美しい白い石象の女人象。白いスイレンの花に止まる蝶々。それらを葬るようなたくさんの泡のような模様。生があるから死があり、死があるから生がある。やはり墓場なのかもしれません。作品を見させていただいたことで、私の中の何かが少し浄化したように感じました。素敵な空間をありがとうございました。
こちらの個展を後にして、ほかのギャラリーものぞいてみました。これらのアートを前にして感じ方は人それぞれがだから、勝手な解釈、妄想はありありですね。こんな楽しいことってあるでしょうか。心が豊かになったようですごく徳した気分です。
成田氏の個展は終了してしまいましたが、またあそこに探検しに行ってみようっ。
築80年。かつては銀座界隈でも屈指の高級アパ—トだったとか。
現在20店のギャラリーが入るアートビル。





