オン・ザ・ロード | アッシェンバッハの彼岸から

オン・ザ・ロード

オン・ザ・ロード (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1)
青山南
4309709419


図書館に予約してあったケルアックの新訳がやっと手元に。

30女が何をいまさらビートニクか、なんて云われそうだが、これというのもショーン・ペン監督の『イントゥ・ザ・ワイルド』を観た影響だとか、前述のウォーホル嫌いだとか、仕事以外のことで頭がいっぱいになりがちなわたしには、毎日いろんなきっかけがあるのだ。今度の青山南(←これも前述の、『イーディ』の訳者)版、タイトルが『路上』でなく『オン・ザ・ロード』。

なんというか、「路上」って定点観測的というか、地べたに坐って小津的なローアングルの固定カメラで街をぼんやり眺めているような受身感があるけれど、英語にしたとたん、視点がいっきに立ち上がって動的になる。ロードは道でもあり、道程でもあるのですね。

旧訳バージョンを初めて手にしたのは、人生半分以上は前のこと。すでにビートルズの影響で'60年代カウンターカルチャーの洗礼をちょっとぐらいは受けた気になっていたわたしだが(実際にはバブル時代らへんであったことが笑える)、あの本の興奮とか躍動感みたいなのは記憶に鮮明だ。

アメリカ大陸横断って。あたしの住んでる新興住宅街ってどんだけ小さい場所なんだろう。と溜息をついたものだ。

この本に出てくる彼らがうらやましくてたまらないけれど、「密着している他人は全て邪魔者だ」と教えられる学校や住宅街を抜けるほどの勇気も行動力も自動車免許さえも、わたしは持っていなかった。


で、新訳版である。

今読んでる本があと数十ページだからと、楽しみに本棚に置いておいたら、いつの間にか消えている。

とおもったら。

向こうでキシダがこそこそと、自分のかばんに入れていた・・・。