なまいきミーハー映画評
ちなみに我が家の同居人キシダは学生時代、
「青山などのオシャレなカフェでヌーベルヴァーグについて語ろう!!」
と謳った「なまいきミーハーファンクラブ」なる冗談みたいなサークルを冗談で立ち上げていた。
ボーダーTシャツなどが似合う、完全デオドラントされた都会的・知的な男女に対する劣等感と反発とともにゴダールなんて知らねえよ!とインテリぶったオシャレさんどもを嗤ってやる、という多分に屈折した自虐・諧謔が見えるものの、実情は青臭く汗臭く精液臭い文科系男子どもが『はなればなれに』のアンナ・カリーナみたいにポップで世間知らずで可愛いガールフレンドを手に入れたい!!
というリビドー満タンな、中学生レベルの単純欲求に基づいた気紛れであった。
結果として釣れた魚はカリーナどころかオニカサゴにそっくりな、煮ても焼いても食えない魚1匹、
つまりこのわたしだったりするわけであるが。
そんなわけで、一応生意気と名のつく映画サークル(?)の代表だったキシダ。
いまだに映画については語れるほど何も知らないくせに、言うことだけは一丁前なのである。
そんな生意気キシダが『アクロス・ザ・ユニバース』を観た感想。
「Revolutionの使い方が気に食わない。
そもそもジョン・レノンがあの唄を作った経緯を考えると、歌詞を意訳するにも程がある。
無意味に暴力的なあのシーンで、あんな安易な使われ方をするのは許せない。冒涜だ」
「舞台が'60年代N.Y.というのは時代的にドラマチックではあるが、
ビートルズはN.Y.に出稼ぎにきた港湾労働者ではない」
などと、わたしの前のめりぶりに比べて、ずいぶんと温度差のある反応であった。
ちなみにわたしが仕事で観たにも関わらず、キシダともう一度観た映画は、そのほかに
『潜水服は蝶の夢を見る』
『ノーカントリー』
『アフター・スクール』
『ぐるりのこと』
の5本。
どれがいちばん良かった?とキシダに訊ねたところ、即座に「ぐるり!!」と返ってきた。
現在公開中の『ダークナイト』も、ハリウッド大作ながら映画の質はかなりのもの。
いちおう誘ってみたところ
「ジョーカーはジャック・ニコルソン1人で充分」
と膠もない。
生意気なやつ!!
