ようやく君が死んだんだ。
約束通り君が先に死んだんだ。
きれいな顔で死んだんだ。
ゆら、ゆら、ゆら。茹だる夏に。
ようやく君が死んだから、
僕もようやく自由に暮らせる。
あぁ。眠れず襲う、独り夜が。
ようやく君が死んだから、
好きなだけ寝て休日を謳歌しよう。
ようやく君が死んだから、
好きなものを食べて暮らしてやろう。
ようやく君が死んだから、
飼えずじまいだった猫も飼ってやろう。
「僕より先に死なないで。」
君に聞こえないように、囁いた。
ようやく君が死んだから、
気になっていたあの子とデートをしよう。
ようやく君が死んだから、
君が嫌いなアイツとも遊べる。
ようやく君が死んだんだ!
はやく行かなきゃまた夜が来る。
あぁ。何故、また、足がすくむ。
喜びで弾む心とは裏腹に☆
不安定な脈が声を奪ってく。
消えぬ後悔と残り香が☆
消える脳内の情景が
僕を夜へと連れていく。
早く走り出せ!☆
夜の街並みへ。
寂しがりな君に届くように輝いた。
ようやく君は死ねたんだ。
死にたいくらい辛い苦しみから遠く
さよならなんて言わないよ。
すぐ迎えに行くからさ。
「ようやく君が死んだから」
なんて割り切れないくらい君が好きで
次は僕が叶える番だ。
「私を独りにしないでね。」
朝焼けに鳴くフルマリテ
残す言葉が決まらず
風に揺れている。
「 。」
遠くへ行け。
早く探し出せ!君の輝きを。
誰よりも先に見つけ出し名付けるさ。
「ようやく君に会えるんだ。」
何より大切な君に捧ぐ歌。
さよならなんて言わないよ。
すぐ迎えに行くからさ。