「町田ゼルビアvs横浜Fマリノス」国立で生観戦 | 52歳で実践アーリーリタイア

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52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

友人の無料招待チケットで生観戦。私も東京ヴェルディとか、スーパーカップだとか、応募すると結構無料招待チケットが当たるのですが、今回は今節の目玉試合だったので、お誘いに迷わず参戦させていただきました。

 

▪️町田は、選手よりもスタッフの方が多い?

それにしても絶好調の町田がどんな試合をするのか興味津々でしたが、むしろ町田の試合内容よりも、町田の極端なスタッフの多さにびっくり。

 

選手よりも多いんじゃないか、と思うぐらいのスタッフの多さ。

 

 

元町田の太田宏介さんのYouTubeによると、とにかくスタッフが多いらしい。選手39人に対してスタッフが37人!いるという。道具係からスカウティングから、人海戦術で選手のコンディションや分析、そしてメンタル面でのフォローまで、細部まで徹底的にやり尽くしての、J1首位ということなのか。

 

これはプロサイクリングチームのスカイ(現イネオス・グレナディアス)がて取り入れたマージナル・ゲインという考え方に近い。

 

マージナル・ゲインとは1%の改善をつなげていけば結果は自ずと大きな差になる、という考え方で、チームを取り巻くあらゆる要素で少しずつ改善していこう、という思想で、元々はNBAが日本の「カイゼン」を採用して、それをイギリス大辞表の自転車チームが取り入れ、それがプロサイクリングのスカイに採用されたという手法。

 

 

具体的には、スカイが、機材、栄養、移動、気候など、あらゆる専門家の手配による強力なサポート体制をひいて、ツール・ド・フランスで黄金時代を築きましたが、まさに町田ゼルビアは「勝つためにできることはすべてやる」という体制が万全なのでしょう。これはお金があるということか。

 

あとは、黒田監督のマネジメント。試合に出ていない選手のモチベーションを高めるためのモチベーターとしての能力が抜群らしい。これはユーロで優勝したスペイン代表でも、黄金時代のフロンターレでも同じだと太田さんは言います。

 

確かにイニエスタやチャビ全盛期のスペイン代表「ラ・ロハ」を深掘りした以下書籍を読んでも、選ばれた選手全員の一体感こそ、ワールドカップとユーロのダブルタイトルを獲得した秘訣だったという結論。

 

▪️勝負に徹した町田の戦術

その町田の戦術ですが、マリノス戦を観た限り、とにかく攻撃時のぺナルティボックス内に入る選手の数が多い。いつも4−5人はボックス内に攻め込んでいるんですね。そして必ず対角線でファー側にいる選手目掛けてクロスを上げるのを徹底している。

 

 

ボックス内にあんなに選手多く入れてしまうとカウンターが怖くて普通のチームではできないと思うんですが、意外にもカウンターをあまり受けていない。

 

ちゃんと後ろに構えてる選手のポジションだとか、全員サボらずに戻る速さだとか、が素晴らしいのです。

 

 

一応数字も載せておきます。Football Labからのデータですが、セットプレーとクロスとPKで点を取るんですね(全体の70%弱)。

 

個人的にみていて楽しいサッカーというのはスペイン代表やマンチェスターシティみたいに、中央ドリブル突破だとか、スルーパスだとかポケットからの折り返しのパスからのゴールなんですが、ほとんど「楽しいサッカー」的ゴールがないのが町田の特徴。

 

楽しさは犠牲にして勝利に徹しているんですね。ただシティー監督のグアルディオラに言わせれば、上であげた楽しいサッカーを追求することこそ勝利への道、みたいなところがあるので、これは方針の違いというしかない。ちなみに町田のスローガンは「貫け、町田の哲学を。」ですから、これが町田の哲学なのでしょう。

 

ただ、こうやって理詰めで勝利をめざす方向性は、一貫していればいるほど、説得力が高い、つまり脳科学的には「一貫性が高い=因果関係が明確になる」に、私含む人間は快感回路が活性化するので、観戦していて別の意味で面白いし、心地良い。

 

それでは他チームとの比較を見てみます。

 

 

この数字を見ると、圧倒的に攻撃されないことで、首位をキープしてるということがわかります。とにかくピンチを作らない。これが最優先。

 

観戦する立場からすればヒヤヒヤする場面が少ないチームなので「安心して試合が観戦できる」ということ。

 

実際にマリノス戦では、データで見るほど守備が強くない印象。2失点目なんかも、見事に崩されて失点しています。とはいえ、常に相手に数的優位を作らせないような、よってたかっての圧縮守備が90分通して貫徹されており、さすがの首位チームだな、という印象でした。

 

 

それにしても両チーム、センターバックとセンターフォワードは外国人選手が中心、など外国人選手に頼らないと日本のトップにはなれないんだな、と実感。両チームともスタメン11人中3〜4人が外国人ですから。

 

特にセンターフォワードは両チームともフィジカルが強力な猛者(マリノスのロペス、町田のデューク)を配置しており、実際ポストとして機能しているのでボールも前に進みやすい。

 

 

 

やはりジェフも屈強なセンターフォワードがいれば、両サイドの突破と小森の決定力が活きるかもしれないのですが、贅沢は言えません。林と呉屋になんとか踏ん張ってもらうしかありません。