日本人でアフリカネーションズカップを観戦した人はそう多くはないと思うので、どんな大会だったか、せっかくなので紹介したいと思います。
私が観戦したのは、2024年1月〜2月に開催されたコートジボワール大会です。
アフリカネーションズカップは3試合をウェブで予約。2023年12月下旬に予約したのですが、ワールドカップと違って余裕でチケット購入できました。
おおよそ値段は、3,000円〜4,000円とこの試合のレベルにしては、とても格安のチケット。
大会中はチケットサイトへのアクセスが集中してなかなかチケット購入画面に辿り着けず、ほとんど売り切れ状態。現地在住の方によると、現地ではいくつかの郵便局でもチケット販売していたそうです。
最初は、ベスト8の「ナイジェリアvsアンゴラ」
場所は、アビジャンのフェリックス・ウフェ=ボワニスタジアム。つまり初代大統領の名を冠したスタジアム。
ナイジェリアの実質的な首都アビジャンの官庁街、プラトー地区内にある至って立地の良いスタジアムです。
化粧室もSDGSを意識しているなど、コートジボワールにあって別世界感あり。
試合がはじまるまで、まだ2時間あったので、ボランティアの方もお休み中。
後ろの郵便局ビルが見えるなど、都心のど真ん中。
試合開始前のセレブレーション用の準備
ナイジェリア代表が練習し始めました。
今回試合観戦して一番気に入ったのが、ナイジェリア代表。
ナポリのエース、オシムヘン。現地では「オシヘン」と発音。
当然ながら一番人気。
そして今回一番気に入った選手が、プレミアリーグのフラム所属のイウォビ。
フラムでは左・右の双方のウイングを担当していますが、ナイジェリア代表ではピボーテを担当しており、抜群の試合コントロールでほとんどミスしない正確無比のパスを90分間前線に供給。
帰国後、フラムの試合もSPOTVで観戦。プレミアでも大活躍の素晴らしい選手。ちなみにフラムのセンターバック、バッシーもナイジェリア代表。
そろそろ始まりそうな雰囲気。
街中ではほとんど白人見なかったのですが、さすがに国際試合とあって白人の方もちらほら観戦。
一方で東洋人は当然ながら、私だけ。
ハーフタイムは「ダンスカム」と題して、ダンスしてる観客にスポットライトを当てるなど、コートジボワールならでは。
ゴールした時の観客の方の多くが感極まって踊り出すなど、アフリカならではの応援スタイルが楽しめます。
オシムヘンは、細くてしなやかで美しい。
見ているだけで惚れ惚れするようなスタイル。
そしてお気に入りのイウォビ。17番。
2試合目は、240km運転手付きの車に乗ってヤムスクロの街へ。
車で行ける目一杯まで運転手さんに乗り付けてもらい、途中から長い長いスタジアムまでの道のりを歩きます。
やっとスタジアムが見えてきた。元首相の名を冠した、シャルル・コナン・バニー・スタジアム。
印刷した電子チケットの二次元バーコードをスキャンして入場ゲートをくぐります(他のスタジアムも同じシステム)。
席は結構前の方(席も購入時に自分でその席を特定可能)。
それにしてもガラガラ。ベスト8の「南アフリカvsカーボ・ベルデ」。ほとんど両国のサポーターがいなくて、9割ぐらいはコートジボワール人。
特に南アフリカのサポーターはベスト8にも関わらず、ほとんどいなかったのではないか。
これがラグビーだったら大違いだと思うのですが、南アフリカでは、貧乏な黒人にしか人気のないサッカーは、ここまで応援来れないのかもしれない。
さて、なぜコートジボワール人が9割ぐらいと分かったのでしょう。
それは試合前にコートジボワール代表の準決勝進出が決まったから。スタジアム内が大騒ぎになったのです。
そして「アラガリテ・イーオーベ」という意味不明の掛け声と共にゴール裏の観客がバックスタンド側に大移動して、ボランティアが制止しようにも数千人単位で動いているので制御できず。
タイヘンなことになってました。
今回の入場者数は12,162人と、Jリーグ並み。
実は、カーボ・ベルデって結構強いんです。旧ポルトガル領で、ポルトガル人バリのテクニシャン揃い。スペインリーグのラージョバジェカーノの10番ベベなど、一部選手はヨーロッパトップリーグでも活躍。
試合は、南アフリカ代表の勝利でしたが、延長戦PKまでもつれ込んでしまい、これからアビジャンに本当に帰れるのだろうか、と心配に。
結局午前2時にアビジャンに戻ることができました。
3試合目は、準決勝のホスト国の対戦「コートジボワールvsコンゴ民主共和国」。
スタジアムは今回一番の収容人数を誇るアビジャン郊外にあるエビンペ・オリンピック・スタジアム。
途中(といってもスタジアムから数km手前)までタクシーで行き、そこからおもむろにスタジアム方面に向かって歩くと、バスが待っており、
無料のスタジアム行きバスに乗ります。
バス降り場から30分ぐらい歩いてやっとスタジアムが見えてきた。
さすがにここはデカイ。
とは言っても5~6万人規模のスタジアムなので、日本の横浜スタジアムや新国立競技場よりは小さい。
それにしてもほとんどコートジボワール応援で、隣の話し声も聞こえないぐらいの大音量。
これがアフリカか。
5万人のコートジボワールパワー。
幸運にもコートジボワールが1対0で勝ったのでよかった。
最近、ブンデスリーガでは出番に恵まれないドルトムントのストライカー、セバスチャン・ハラーの得点で決勝戦進出。同国のレジェンド、ドログバほどではないですが、ちゃんとストライカーの役割をまっとう。
実はコートジボワールのサッカー代表の三人に一人は外国人。
というのも、生まれも育ちもヨーロッパの選手が多いのです。本国代表には手が届かないので、自分のルーツの国の国籍を取得して代表選手になる人が多い。
たとえば決勝点とったハラーは、フランス生まれフランス育ちのフランス人。ユース代表まではフランス代表でしたが、結局フル代表ではお母さんの地元、コートジボワール代表を選択。
冒頭のナイジェリア代表も二人に一人は実質外国人。そんな特殊な代表がアフリカの各国代表なのです。
帰りはタイヘンでした。午後11時過ぎでも街から人が引けず、私たちは本当に帰れるのだろうか?
1時間ほど歩いてやっとタクシーを捕まえアビジャン都心に戻りました。それにしてもすごかった。
何か暴動が起きたかのよう。
ちょっと心配になりましたが、アフリカのサッカー熱が体感できて、ワールドカップとは全く違う素晴らしいアフリカネーションズカップ観戦でした。