今回の千葉鰻巡りは、佐原の利根川沿いにあるポツンと一軒家の麻生屋本店。
江戸時代1832年創業で当初は川魚問屋だったそうですが「うなぎ大好き」によると、明治の中頃に「元祖すずめ焼」を食事処として提供したのですが、鉄道が開通して以降、舟運が廃れて問屋に戻り、先代(5代目)からまた食事処を再開したとのことらしい。
麻生屋HPによると、すずめ焼とは、小鮒など川で採れる小魚を背開きにして串に刺し、醤油ベースの合わせダレをつけて焼いた料理で、
①昔、ある殿様が狩りに出て、河原で焼いた小鮒をすずめを焼いたものと勘違いした
②小鮒を背から開いて串に刺して焼いた形が、小枝にとまっているすずめの形に似ているから
の2説あるそうですが、今回のメニューには載っていませんでした(併設のテイクアウトの方で提供しているようです)。
■料理・味
2名で伺い、上源平定食4600円2名分、に鮎の唐揚げ&熱燗1本で、計10,480円でした。
源平というのは、白焼(平家?)と蒲焼(源氏?)を半身ずつ、計1尾で提供する定食(重もあり)。定食とは、ご飯とうなぎを分けて提供しつつ、ひつまぶし風に茶漬けスタイルで食べられるようになっている定食のこと。
とにかくココの鰻は、調理人の技術が高いと思われ、鰻そのものの味がピュアに味わえます。白焼きはもちろん、蒲焼の方もタレは控えめで、後から付け足すようになっている(定食だから)ため、臭みのいっさいない上品な鰻そのものの味がじっくり楽しめるのです。
しかも関東風「焼き」→「蒸し」→「焼き」ではあるものの、最後の「焼き」の工程にこだわっているらしく、パリッとした食感で、まるで地焼きのように、表面だけがカリッとした仕上げになっているところが素晴らしい。
他の鰻専門店同様、ココもうなぎを割くところから調理するので数十分時間がかかります。
その間、熱燗と小鮎の唐揚げでじっくり待たせていただきました。
白焼きは、そのまま食べても、茶漬けでも、自家製だという柚子胡椒がうなぎの味にぴったりマッチしていて、これはなかなかのアイデアではないかと思います。
■サービス・雰囲気
椅子席があるかどうかは確認できませんでしたが、少なくとも1階に関しては、掘り炬燵なしの座敷のみなので、座敷が苦手な方は要注意です。
お店自体は広々とした鉄筋ビルの一軒家で、店内もそこそこ広いので安心して食事はできます。
接客も丁寧で好感が持てました。
佐原はレベル高し。またリピートしたくなる鰻屋が発見できました!!