今回のうなぎ巡りは、飯田橋の名店「うなぎ川勢」にお伺いしました。あまり体験したことのないしっとり上質な鰻重で、うなぎ好きの方には、(値段は張るものの)これは一度は食べるべき鰻重ではないかと思います。
こんなに高いのだから、鰻もよっぽど大きいのかなと思ったら、一匹分が鰻重に綺麗に収まる範囲なので、サイズは標準的な大きさではないかと思います。
鰻そのものは、パリッとした香ばしさはそんなにないのですが、しっとりとした上品な身で、かといってトロトロにしすぎないような配慮もされています。タレも同じようにエッジの効いたタイプではなく、マイルドな感じで、鰻の焼き加減にもマッチしたタレ。
ご飯に対してはタレをある程度平均的にしみ込ませるようにさせるなど、鰻重ならではの仕立てにしてあります。
肝吸は、コクのある感じの出汁で肝そのものはちょっと小さめでした。
他のお店ではあまりみなかったのが山椒の仕様で、個別の袋ごとに使えるようになっていてこれはいいアイデア。山椒特有の香りがきちっと密封されていて、私はふだん山椒は、味変のために半分のみ使用するのですが、山椒ならではの鼻にツンと来る香りが際立っていて美味しくいただきました。
■サービス・雰囲気
事前予約すると、その時間でピッタリ鰻重が提供されるなど、オペレーションに関しては完璧なお店で丁寧な接客や、静粛なお店の雰囲気も素晴らしい。
中2階が入口になっていて、半階下がってお店で半階上がると厨房になっていてご主人がうちわで丁寧に焼いている姿がみえます。
1人用のテーブルも二卓ぐらいありますが、お客さんの入りによっては1人でも4人掛けテーブルに通されるなど、さすがに値段が高いお店なので丁重に接客していただけますので、この点はさすがの名店では、と思います。