場所は浅草駒形で千葉県からも近く(シェフも千葉県出身)、昨年のランチでとても気に入ったので今回はディナーにお伺いしました。
昨年同様ハイレベルかつ日本のテロワールがちゃんと表現された、日本を代表する本格フレンチとして、さすがの料理でした。
◼️味・料理
2名で伺い、計87,560円と秋の新橋ラフィネス を上回り、私たちにとっての最高額になりました。今回お値段が高かったのは、料理の値段(一律22,000円✖️2名)そのものではなく、お酒代が高かったから。シャンパン(2,800円✖️2)にペアリングワイン(15,000円✖️2)を選択したからです。これにサービス料7,960円でした。消費税が内税表示なのはわかりやすくて良心的ですね。
ちょっと贅沢しすぎですが、シャンパンをはじめとするお酒の数々は、美味なるアルコールオンパレード。でもこんな贅沢は今回限りかな。
それにしても料理はフランスを主役にした日仏融合の料理で、ここまで複雑かつ創造的かつ美味なる料理は、なかなか出会えません。間違いなく定期的にお伺いしたいレストランです。
スペシャリテの蕎麦がきは、蕎麦がきオンリーで食べても、蕎麦ならではの香りと独特のねっとりした食感が堪りません。これにウニやキャビアを絡ませながら食べれば、また究極の味。
千住ネギとアズキハタの組み合わせは、旨味がコンフィによってしっかり封印されて、これに複雑系に細かくカットされたカマを添えつつ食します。
うちフィレ肉は美しいピンク色の赤身肉の充満なるエキスがソース&赤ワイン、黒トリュフの下に隠れたシャンピニオンドゥクセルという隠し味が組み合わされて、複雑系かつ濃厚かつ創造的フレンチを体現しています。
本来は日本料理の松笠焼きも和も含め複数のフランス料理店で味わってきましたが、やはりここはトップクラスの美味さ。釣りものだから網と違ってお魚(甘鯛にとって大切な鱗)が傷まない。そして80cmぐらいのサイズを使うと鱗の大きさも程よく見事な松笠焼き(鱗が松笠のようになる)に焼きあがるというわけです。ふんわりした上品な白身に究極に洗練された和と仏の融合を感じるスープ仕立て。これはフランス料理を極めた日本人でないとちょっと出せない味ではないか。
最後のデザートは、さくっとした食感と冷たいとねっとりした食感に酸味・甘味が絡み合う、というフランス料理らしいデザートです。
◼️サービス・雰囲気
今回は、2階のエレガントなフロアで食事。席の間にはコロナ対策で程よい透明度のスクリーンをつけたそうです。高級フランス料理店は、概ね席間広く、コロナ問題にはあまり影響しないように感じますが、念には念を、ということかもしれません。
フロアにはペアが二組、お一人様一名で、ほぼ2名(ソムリエ&女性スタッフ)で対応なさっていたので、目がよく行き届き、程よい会話も楽しむことができます。
日本フランス料理界の巨匠といっても良い渡辺シェフも頻繁にフロアを訪れて気さくな感じで説明してくれるなど、楽しませてくれました。
また来年も必ずお伺いしたいと思います。