イタリア人にとって最もいい試合は「0対0のドロー」。つまり
ミスがない完璧な試合をした結果が「0対0のドロー」
だというのです。
守備が大好きなイタリア人らしいサッカー(カルチョ)感ですが、今節の京都サンガ戦は、そんなイタリア人が理想としている試合そのものでした。
実に見応えのある試合で「いいもの観たな」というのが試合後の率直な感想。試合内容に関しては、今までのジェフで守備に関しては一番よかったのではないかというぐらいの内容。ポイントは、
◼️442のリトリートとプレス守備の使い分けが見事だったこと
復活した感のある442のブロック守備は、今節はミスがほとんどない完璧なブロック。京都の實好監督が「あのブロックを壊そうと何度もサイドを広げる動きで誘ったが全くできなかった」と試合後にコメントしているように、まるで古代ローマの重装歩兵のように針の穴一本も通さないような芸術的ディフェンス。
一方で相手のボールが深い位置にあれば積極的にプレスでハメにいき、安易に前にボールを出せないよう、きっちりパスコースも切っていたのも素晴らしかった。
◼️専守防衛だけでない、攻撃につながる守備ができていたこと
これまでは「何でもクリア」みたいなところがあったディフェンス陣でしたが、今節はフリーの場合は、積極的にサイドの選手などにパスを供給するなど、安全な状況であればしっかりトランジションのタイミングで攻撃の起点になってくれている。
●一方の攻撃は、
京都が守備時にファイブバックになるので、これまでのサイドからの攻撃が機能しません。サイドの選手からのクロスは、なかなか中央に届かず、決定的なチャンスが作れません。
したがって、相手のワンボランチの両脇のスペースを使った中央からの攻撃にシフトした形をつかったワンツーでの裏への飛び出しみたいな攻撃の形を多用すれば、もっとチャンスが増えたかもしれません。
とはいえ、京都サンガのディフェンス陣も集中していたのでミスも少なく、全体的にレベルの高い試合で、試合全体の「しまった」雰囲気がフクアリ全体に溢れ、京都サンガにも「いい試合ありがとう」と言いたくなる試合でした。
*今日も田口選手のボール奪取は秀逸。決定的なチャンスになりそうな場面で幾度もインターセプトしていましたし、縦へのパスもしっかり前線へ供給。縦へのパス、深いパス、このあたりのプレーが増えるともっとチャンスが増えるかもしれない。