ツンドラ・サバイバル 服部文祥著 読了 | 52歳で実践アーリーリタイア

52歳で実践アーリーリタイア

52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

 

 

 

これは劇的に面白い。2400円もしましたが買う価値あり。

 

サバイバル登山と称してお米と調味料以外、食料はほぼ全て山中で調達、つまり釣りや狩猟などで魚や鹿などを採って登山やトレッキングを行った記録。北海道から四国までの国内に加え、NHK番組用としてシベリアのツンドラでのサバイバルトレッキングを敢行した生々しいノンフィクションが楽しめます。

 

服部さんは、すでに何冊もサバイバル登山について出版しているのですが、私は初体験。高野秀行さんのノンフィクションにも通じる面白さです。

 

どこまでを「サバイバル」とするかどうかは「答え」はないと思います。なんで、最新の釣具を使ってるだとか、どこまでがサバイバルでどこまではサバイバルじゃないかとか、そういうのはわたし的にはどうでもよい感じ。

 

獲物をとって山中を10日間ぐらい滞在するという体験そのものが刺激的だし、文章もリアリティーがあって表現上手なので、どんどん引き込まれます。

 

NHK取材の一環だったツンドラ・サバイバルは、サバイバルとしては、あまり当て嵌まらないかもしれませんが、これはこれで面白い。

 

トナカイ肉は、私も食べましたが鹿肉よりも美味しい記憶があります。WIKIではちょっと違う説明でしたが、ロシアでは、ツンドラを闊歩するカリブーは、野生のトナカイで、トナカイは家畜化したカリブーのこと、つまり実質的に同じ動物。

 

特にミーシャというチュクチ族の同行者が実際にカリブーの集団を待ち伏せしてを狩って捌いて食べる様子はワクワクしながらあっという間に読んでしまいました。

 

狩猟民族と同じ生活感覚を体験すべく、国内ではテントも持たずに山に入る服部さんですが、ツンドラに至ってチュクチ族という狩猟民族になりたいという気持ちがひしひしと伝わってきます(でも家族がいるから無理でしょうが)。