お茶の本ですが、お茶に興味がなくても、季節を感じる心、自然を感じる心、人生を感じる心、人間が生きていくとは一体どういうことなのか?深く考えさせらる著作です。
映画が良かったので、本も読んでみました。
文章を読むと映画における映像の季節感とまた違った、別の季節感を味わうことができます。
素晴らしい言葉たちが綺羅星のごとく輝いています。
毎日、通勤していると、あ、ちょっと肌寒くなったかな。言葉ではなく、体で感じる。
人に教わるのではなく、自分で気づく。
武田先生が「理由は問わない、まず形から覚えてほしい」と言ったその理由。
ちゃんとすべての理由、というかストーリーが、先生によって毎回組みあげられていて、それに主人公は、一つずつ気づいていく。
先生からは決して説明しない。
でも、何十年と通うことで、その全貌が目の前に現れてくる。毎回毎回、生け花・掛け軸・茶菓子・道具やその時の気温・湿度・明るさ・空気・天気・客の状況(というか気持ちの持ちようでしょうか)、全てがストーリー立てられている。そしてそれがおもてなし。全て気づかなくても、ちょっとしか気付かなくても「今そこにある」そして「今しかない」。これが一期一会なのでしょうか。
そんなお茶の世界に驚嘆せざるを得ません。