年末の誕生日はいつも和食で連れがご馳走してくれます。今回は噂の「喰善あべ」初利用です。
銀座のど真ん中、古いビルの5階にありまして、お店はカウンターのみのこじんまりした店内。お手頃な値段で手のかかった懐石料理と「おくどさん」で炊いた白いご飯が堪能できるパーソナルな和食屋さんです。
○料理・味
2名で12,000円のコースに瓶ビール1本+常温日本酒(徳次郎)2合+熱燗1合で、33,140円でした。
コース内容は、
八寸⇒白味噌の栃餅⇒お造り(真鯛+シマアジ+白いか)⇒お椀(尼鯛+蕪)⇒太刀魚の朴葉焼き⇒ふろふき大根⇒白いご飯セット(ご飯+メザシ+ちりめん山椒+明太子+赤出し+香の物)+富士柿
どの料理も一品一品手の込んだ上品な味わい。
八寸は、海老芋の揚げ物、ごぼうのおこわ、蝦夷アワビ(&肝)、鯖の燻製、ばちこ(海鼠の卵巣の干物)で、おこわ以外は、日本酒をじんわりと味わう。ホクホクとした海老芋がまたなんとも素晴らしい。鯖の燻製は、お酒には本当に合うなあ。
白味噌は上品で洗練された味で、ねっとりとしたと栃餅に絡ませながら味わう。
お造りは、特に白いかはイカらしい食感をゆずと塩で楽しむ。天然のシマアジは幻の魚でまず出回っていないシロモノと思うので養殖だとは思いますが、養殖っぽい脂っこさやダルさもなくこれも上品な味わいでした
。もちろん真鯛は淡路の天然物で寝かせ方含め最高の状態でした。
グジはやっぱり美味しい魚です。久しぶりに和食で楽しみました。
太刀魚の朴葉焼きは、ちょっと半生っぽい状態の魚の蒸し具合?がふんわりとした食感を生み出しています。
そしてふろふき大根に続き、メインイベントというべき白いご飯。他の和食屋さんでは、鯛めし、ひじきご飯等の炊き込み御飯や鯛茶漬けなどを食べることが多いのですが、まっさらの白いご飯が、いかに美味いのか?を今回は思い知りました。
アルデンテ状態の白いご飯、ふっくらの白いご飯、上品なお焦げを白いご飯を引き立てるためのメザシやちりめん山椒、お漬物などとともに、4杯は食べたでしょうか?
⚪︎サービス
ご主人の阿部さんは、お伺いしたら東京出身とのことですが「左京ひがしやま」で料理長を10年ほどなさって2年前に開業したそうです。お店のスタイルは「ひがしやま」のスタイルを継承しているとのことでした。
このご主人を女性と男性の若手お二人が支えています。満席状態だったので、給仕には時間がかかりますが、これもじっくりとお酒を味わいながら待つのが、美味い料理を最高の状態で食べるための条件でしょう。
⚪︎雰囲気
カウンターの漆塗りは珍しいので、ちょっと聞いてみたらご主人自身が漆を塗ったとのこと。大変だったろうな。でも毎日自分が仕事し、お客さんに使ってもらうカウンターがご主人自身の手作りというのは、何とも愛情あるカウンターなんでしょう。
黙々と料理を作るご主人のアクションも店の空気の一部ととして、酒を飲むのは、お酒の弱い私から見ると羨ましい限りです。