アメリカのギリシャに対する対応をみていても、アメリカ外交にとって1番優先順位の高いのは、国益であって、自由ではないことが確認できる。
アメリカは、1967年から1974年までのギリシャの軍事独裁政権において、地勢のうえでもギリシャの共産化を阻止すべく、独裁を黙認。
このギリシャの独裁政権下において、中国における第二次天安門事件、いわゆる六四と全く同じ学生を主体とした民主化運動が盛り上がったが、政府による鎮圧で80人ほどの死者が出たという。中国の六四では、よってたかって西欧諸国は中国共産党を批判したが、果たしてギリシャに対しては、どうだったのだろう。
アメリカに限らず、どの国においても優先されるのは、どうやって国益を確保・強化していくかであって、自由や平等などの理念や倫理的価値観は、国家の行動に大義名分を与えるものに過ぎないのは、昔から何も変わっていないし、今後も変わるわけもない。
従って、歴史に倫理的価値観を求めるのは、ナンセンスというものだ。