第1回・第2回のように「処刑裁判記録」からジャンヌの語った部分だけを抜き出してお届けしています。最初は神の声が聞こえた13歳の少女ジャンヌですが、裁判での証言をしてゆくにつれ話し方も上手になり、具体的な人名・地名も出てくるようになります。
果たして本当に「病気』のなせる業だったのか。
2月24日第3回審理以後を見ていきましょう。
1431年2月27日(火曜日)第4回審理
・このところ断食していたか?・・・おっしゃる通り四旬節のあいだずっと断食しておりました。
・土曜以後声が訪れるのを聴いたか?・・・おっしゃる通り、度々聴きました。この部屋で聴きました。
・土曜日に声が告げた内容は?・・・あなたの審問に対し勇敢に答弁せよ、と告げてくれました。
・お前に話しかけるのは天使の声か、聖者や聖女の声か、あるいは直接神からの声か?・・・その声は聖女カトリーヌと聖女マルグリットの声であり、聖女たちの頭の上には立派な冠が豪華に気高く飾られていた。また、両者はよく識別できた。
・その聖女や聖者のうちどれが最初に現れたのか?・・・聖ミシェルが最初に現れた。
・十三歳の頃お前を訪れた最初の声はどんなものだったか?・・・自分が目の前に見たのは聖ミシェルであったが、独りで現れたのではなく、天使たちを伴っておられた
・聖ミシェルが最初に告げたことは何か?・・・声は自分に勇敢に答弁せよと命じた。
・男の服を着るよう命じられたのは神からか?・・・服装などたいしたことではない。男の服を着たのは現世の誰の忠告でもない。
男の服を着ることにせよ、神や天使たちの命令以外でしたことはない。
・声が自分を訪れたときは、あたり一面に光りが溢れて厳かだった。
1431年3月1日(木曜日)第5回審理
・イギリス人が被る大損害につきジャンヌは語る・・・7年以内にイギリス人はオルレアンで失ったよりも遥かに多くのものを失い
やがてフランスですべてを失うでしょう。またこのイギリス人たちはこれまでフランスで被ったことのないような大損害を被る。これは「神」がフランス人に大勝利を与え給うことを意味する。
・どうしてそんなことがわかるのか?・・・私が受けた「啓示」によってよく解ります。これは「啓示」によって解っていることで、あなた(司教)がここにいるのと同じくらいに確かなことです。
・そうしたことが起こると誰から知ったか?・・・聖女カトリーヌ、マグリットから知った。聖女たちはいつも同じ姿・服装で,その頭上には素晴らしい冠が飾られていた。 (以下、第4回に続きます)