会計とデータ分析について | あすくまblog

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私は現在、様々な財務会計のアドバイザリーをしていますが、その中でデータ分析の重要性と会計との相性について考えるようになったのでお話します。

 

 

  アドバイザリーには規制ドリブンと価値ドリブンなサービスがある

 

特に財務会計に関するアドバイザリーを行っていると、新しい会計基準の導入支援や金融規制への対応支援がサービスの中心になることが多いです。

クライアントが財務会計のアドバイザーにサービスを求めるタイミングというのは、何か新しい会計基準や金融規制に対応するために専門知識が必要なときであり、言ってしまえば「やらざるを得ない」ので、しぶしぶお金を払って専門知識の提供や支援を求めている状態です。(こういったサービスを規制ドリブンなサービスと言う事にします。)

 

しかし、こういったサービスではアドバイザーへの報酬を上げていくことは難しいと思います。

クライアントはしかたなく対応している状態であり、アドバイザーが一生懸命、会計基準や金融規制に対応できるようにクライアントを導いたとしても、クライアントにとってはマイナス⇒ゼロになっただけで、利益が増えたり、投資家が積極的に投資を行ってくれるようになるわけではありません。

であれば、アドバイザリーの品質をどれだけ高めても、クライアントからすれば報酬を上げるインセンティブにはいつまでもならないと考えられます。

 

一方、クライアントが報酬を上げても良いと考えるサービスというのはどんなものでしょうか。

規制ドリブンではなく、価値ドリブンなサービスだと考えます。

つまり、基準や規制があるから求められるサービスではなく、クライアントにとっての価値を生むから求められるサービスです。

 

これは財務会計のアドバイザリーにとっては意識が高くハイレベルなアイディアのように聞こえますが、考えてみれば、逆にクライアントが自分たちの利益のためにならないのに報酬を払うという状況が他の業界と比べて異質ではないかと感じます。

 

財務会計のアドバイザリーも(報酬を上げていくためにも)このような価値ドリブンなサービスを中心に行っていく必要があると考えます。

 

 

  財務会計アドバイザリーにおいて、価値ドリブンなサービスとは何か

 

サブタイトルの通り、考えてみた結果、やはりクライアントが利益を生み出すこと、クライアントの

ITシステムやビジネスモデルの変革に貢献できるようなサービスが価値ドリブンなサービスに該当すると思います。

 

そこで具体的な一つの方法として「データ分析」を考えました。

 

財務会計の数値を分析して、会社が過去及び現在においてどのような実態・傾向があるか把握し、将来の業績向上のためにはどの要素を高めていく、あるいは削減していく必要があるか、意思決定する材料を提供することがデータ分析によって可能になります。

 

これはダイレクトで会社の利益や変革への貢献に繋がりますし、クライアントのビジネスや会計を理解できる会計士等のアドバイザーにとって得意な領域ではないでしょうか。

 

 

  データ分析に必要な知識を身につけることの難しさ

 

一方で、勉強していくとデータ分析に必要な知識や経験を一人の人間が身につけることの大変さを知りました。

プログラミングや統計学の知識に加えて、会社のデータを正確に収集して分析に使えるように整えるなど、幅広い知識と膨大な労力が必要になるようです。

 

今、会計士として会社のビジネスや会計を理解する力はある程度身についている会計士の私が、これからデータ分析のサービスを提供できるようになるにはどうすれば良いか、現在進行形で考えていますが、やはりデータ分析の全体像を把握し、チームメンバーと一緒にサービスを提供できるようにしていくことが重要だと思っています。

 

プログラミングの専門家、統計学の専門家にそれぞれの深い知識が必要な領域は任せ、自分は会計士としてどのようなデータ分析がクライアントにとって有用か、また分析によって得られた結果をどのようにビジネスに活かしていくか、そういった面で貢献することが一番理にかなっているように思います。

 

しかしそのためには、プログラミングや統計学のことを広く浅く知っておく必要もあると思います。

その広さ加減、浅さ加減が難しいですが、少しずつ自分に必要な知識を調べて身につけながら、クライアントにとって価値のあるサービスを提供できるアドバイザーになりたいと思います。

 

 

以上