この「東アフリカのLGBTを撮った写真展」いってみたいなと思ったのですが、残念ながらバングラ滞在中で開催期間中に帰国予定なし。

(※LGBT→レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー=性的少数者)

 

イスラム圏におけるLGBTを取り巻く環境は苛酷であり、国民の9割がイスラム教徒であるここバングラデシュも同姓愛は認められておらず刑罰の対象である。

また、つい先日はLGBT活動家が残忍な手口で殺害された。

(→関連ニュース:News Weekロイター

 

このニュースについて、仕事関連のバングラ人と話す機会があった。

このような事件を起こす過激派イスラム原理主義については強く批判していたが、同姓愛に関しては完全に否定していた。

 

こういう話はよっぽど親しくない限り(親しくても注意が必要)、あまり込み入った話はしないようにしているのだが、彼から日本における同姓愛や同姓婚に対する法律はどうなっているのか聞かれたので、自分の主観はあえて話さず現状を伝えた上で、少しだけ彼の考えを聞いてみた。(話さなかった理由は、同姓愛賛成派と分かれば仕事上支障が出るだけでなく、下手すれば命に危険が起こるかもしれないからです。)

 

「自然に反するから、同姓愛はありえない。」

 

というのが彼の考えで話し方からして、完全に嫌悪しているようだった。

私はイスラム教徒のお友達も多いけど、彼の反応はこれまでもイスラム教徒の友達の反応とほとんど同じである。

 

自然に反することはアッラーは認めていないと。

 

この「Natural、自然」という言葉が私はどうもひっかかる。

神が人間を作ったとして、同性愛者が生まれるのであればそれは自然なこととして受け入れて当然であると私は思う。

 

以前、付き合っていた彼はイスラム教徒でやっぱり同姓愛を嫌悪していた。

その彼と議論していた時にこのことを主張した際

 

「同姓同士でSexしても子供はできない=自然ではない」と返された。

 

それに対し、「男女であっても不妊で子供ができないことがある。それは自然ではないのか」と言ったら、それは自然だと。「不妊は何らかの原因でおこる。男女でも子供が出来ないことはあるがそれは自然。でも、同姓同士で子供は絶対に出来ない。可能性が0であるから同姓愛は不自然である」ということだった。

 

結局この議論は平行線でお互いまったく納得できないまま終わった。

 

なぜ同姓愛は自然ではないと分類されるのか。

 

バングラデシュの同姓愛禁止の法律にもこの「自然」という言葉がでてくる。

 

377. Unnatural offences:

Whoever voluntarily has carnal intercourse against the order of nature with any man, woman or animal, shall be punished with imprisonment for life, or with imprisonment of either description for term which may extend to ten years, and shall also be liable to fine.

 

377条 自然に反する行為:

男性、女性や動物などと自然の秩序に反した淫らな性交渉を意志を持って行ったすべての人は、終身刑および10年以上の禁固刑、あるいは罰金の対象となりうる。

 

どこにも同姓同士の性交渉との記述は無い。自然の秩序に反した淫らな行為=同姓同士の行為というのはだれが決めたんだろうか。

 

差別され、法律的にも求められない苛酷な環境の中で生きざるを得なバングラデシュのLGBTの人達の状況、そして声をあげたものが殺されたというバングラデシュの事実。

 

日本でも同姓婚が早く認められたらいいのに。

 

冒頭の写真展は5月9日までだそうです。