① 競争優位の戦略とは

「競争優位の戦略」とは、名前の通りで競争相手に対して優位性を築くための戦略であり、

ポーターは3つの基本型として「差別化戦略」「コストリーダーシップ戦略」「集中戦略」をあげています。

 

② 差別化戦略とは

「差別化戦略」とは、買い手にとって魅力的な独自性を自社の製品やサービスに打ち出すことで、

競争相手に対する優位性を価格以外の点で築く戦略のことです。

ここで重要なポイントをまとめると、

「買い手にとって魅力的な独自性」

「価格以外の点で優位性を築く」

の2つがあげられます。

 

ちなみに、差別化をはかる方法として、次の3つがあります。

「品質・性能・デザインなど」

「アフターサービス・支払い条件・店舗数など」

「広告・宣伝などの社会的認知度」

つまり、直接的な製品・サービスだけでなく、それに付随する間接的なサービスや認知度・イメージなども差別化をはかる方法となります。

 

 

教育業界で考えると、買い手とは保護者と生徒・学生にあたり、差別化をはかるとは、

「保護者や生徒・学生にとって魅力的な独自性」を持つ教育サービスを打ち出すことになります。

また「独自性」として「価格以外」の点で打ち出すことが必要となります。

 

この「魅力的な独自性を持つ教育サービス」を打ち出せるかどうかが、差別化をはかれるかどうかの重要なポイントとなります。

 

ちなみに『協育の伴奏者』で差別化戦略を考えた場合、顧客となる買い手にとって魅力的な独自性を持つサービスを提供することとなります。『協育の伴奏者』の強みは「30年の教員経験」×「経営コンサルタント」という異業種のシナジーによる『新たな価値の創造』なので、この強みに対して魅力を感じていただける顧客こそが差別化戦略において買い手となると考えられます。

 

皆さんの法人や企業の場合、どのような点が買い手にとって「魅力的な独自性」となるでしょうか。

その強みを一緒に見つけていくお手伝いをしているが『協育の伴奏者』なので、「魅力的な独自性」を見つけにくいという経営者の方は、ぜひ一度『協育の伴奏者』へご相談ください。

 

 

③ コストリーダーシップ戦略とは

「コストリーダーシップ戦略」とは、同種の製品・サービスを競争企業よりも低いコストで生産する戦略のことで、以前お話した「規模の経済性」や「経験曲線効果」(『競争回避の戦略』の中で説明)を得ることで、低コストを実現していく戦略です。

 

このコストリーダーシップ戦略は「規模の経済性」や「経験曲線効果」などの低コスト化が必要であり、この戦略をとることができる法人や企業は限られています。

 

ちなみに『協育の伴奏者』の場合、「規模の経済性」や「経験曲線効果」による低コスト化は中々難しいので、「差別化戦略」を選択することとなります。

 

皆さんの法人や企業の場合、状況によって「差別化戦略」を選択するのか「コストリーダーシップ戦略」を選択するのかが分かれると思います。皆さんの場合、どちらの戦略が有効的でしょうか。

 

 

④ 集中戦略とは

「差別化戦略」と「コストリーダーシップ戦略」が『戦略の優位性』に焦点を絞っているのに対して、

「集中戦略」とは『戦略のターゲット』に焦点をあてています。

 

つまり業界全体に対して優位性をはかるのが、「差別化戦略」と「コストリーダーシップ戦略」であり、

特定のセグメントに対してのみ集中して行うのが「集中戦略」となります。

そして、「集中戦略」は『差別化集中』と『コスト集中』の2つに分けられます。

 

『協育の伴奏者』の場合で説明すると、経営コンサル業界全体に対して行う「差別化戦略」よりは、

特定のセグメント(大学法人や塾経営者などの教育業界)に限定した『差別化集中』をはかる方が、より買い手にとって魅力的な独自性を打ち出すことが出来ると考えられます。

 

皆さんの法人や企業の場合でも、教育業界全体をターゲットとするのか、特定のセグメントに絞って『差別化集中』もしくは『コスト集中』をはかるのかが重要なポイントとなります。自分の強みによって対応が変化すると思いますので、ぜひ『協育の伴奏者』に相談してみてください。

 

 

⑤ 各競争戦略が持つリスクについて

「差別化戦略」

競合企業の模倣により、「差別化」された優位性が失われるリスクがあります。

つまり競合企業が真似しにくい(模倣困難性が高い)ことが「差別化」のポイントです。

 

「コストリーダーシップ戦略」

得てして利益を度外視した低価格競争が行われるリスクがあります。

教育業界でいうと、「入学金免除」「授業料免除」「採算ギリギリの低価格化」などがこれにあたります。

 

「集中戦略」

ターゲットセグメントが狭いため、経営資源を豊富に持つ競合企業との差異が失われた場合、シェアを失うリスクがあります。

 

 

⑥ スタック・イン・ザ・ミドル

あまり聞き慣れない言葉だと思います。

ポーターがよくある戦略上の過ちとして述べているものです。

言い換えると、「虻蜂取らず」や「二兎追うものは一兎をも得ず」という言葉になります。

つまり、「差別化戦略」と「コストリーダーシップ戦略」の同時追求はスタック・イン・ザ・ミドルに陥る可能性があります。

 

『協育の伴奏者』の場合は「差別化戦略」を選択することになります。皆さんの法人や企業の場合はどちらを選択しますか。『協育の伴奏者』と一緒に考えてみませんか。

 

 

⑤ 次回のテーマについて

ポーターは競争優位の戦略を実現するためには、個々の企業活動を整合化することが必要だと述べています。そのためのフレームワークが『価値連鎖(バリューチェーン)』です。

 

次回お話するのは、この「バリューチェーン」についてです。

ここでは教育業界において陥りやすい判断ミスについて具体的に説明していますので、次回もぜひ読んでください。

 

 

『協育の伴奏者』では、『教育現場の視点を取り入れた、大学法人向けの経営コンサルティング』を実施しております。少しでも興味がある方は、下記のバナーをクリックしてHPをご覧ください。皆さんのご参加をお待ちしています。

 

 

『協育の伴奏者』代表 角 幸範