SDGsの不都合な真実について13人の著者がそれぞれの切り口から鋭い指摘をしている。
最初の杉山大志氏の章を読んだだけだが、それだけでもう頭が痛くなって暗澹たる思いに囚われてしまった。

気候サミットにおいて温室効果ガスの削減について、欧米と日本は合意したが、中国は応じなかった。米国はやがて合意を反故にするだろうと推測されている。(前科があるし、気候危機説を信じてないし、自国の産油産業は保護しなければならないから)

中国は、
歴とした大国のくせに開発途上国の顔をして、先進国はCO2を減らす責任があるが、中国は経済発展の権利があるとうそぶく。それに他の開発途上国も追随するから始末におえない。

そしてなんと、
中国は太陽光発電パネルや電気自動車の一大産地であり、日本や他の国は中国からの輸入に頼らざるを得ないのが現状だという。
しかも、
太陽光発電パネルの心臓部「結晶シリコン」の生産は世界の80%を中国が占めており、その製造過程における新疆ウイグル自治区での大量の電力消費と深刻な環境汚染、ウイグル族への強制労働が問題視されているそうだ。
このままSDGsの活動を続けるならば、この環境汚染と人権弾圧に加担してしまうことになる。

そして、
先端技術に必要な「レアアース」と呼ばれる希少金属は中国による独占的な供給状態だという。
レアアースの採掘には深刻な環境汚染が伴うらしく、先進諸国では規制が厳しく採算が取れないので採掘されないそうだ。
環境問題無視で金儲けに走る拝金主義中国の本性が見える。それに頼らざるを得ない先進国も情けないが、安全保障の観点から見ても早急に対策をする必要がある。

しかも、
実際問題として、太陽光発電は太陽が出ていないと発電しないので、それを補完するための火力発電はどうしても必要になる。
こうしてみると太陽光発電は決して安価でもないしエコでもない。