お金を成長の足かせにしてはいけない!!
かつては「資本金1000万円以上」であることが、株式会社設立の要件でした。
しかし2006年5月に新会社法が施行され、最低資本金制度は廃止されました。
極端に言えば、資本金1円でも株式会社の設立が可能になり、企業のハードルがかなり下がったためベンチャー企業が急増しました。
一方で、企業してから10年以内に倒産する会社が増加しました。
何度もお話ししている通り、十分な資金がない状態で起業しても、経営を続けることは困難です。
最初にお話ししたA社とB社の例を振り返りましょう。
A社とB社が同じ商品を扱う小売業を始めた場合、B社は1000万円の借入金があるため、
商品の量も種類も豊富に揃えることができます。
一方A社が扱える商品は、数も種類も限られてしまいます。
ターゲットとなる顧客層は、そちらのお店に商品を買いに行くと思いますか?
B社に決まってますよね!!
その後、数年かけてA社が10倍の利益をだすようになり、創業当時のB社と同じ規模の商品を揃えることができるようになっても、その頃にはB社はさらに10倍、20倍の利益を出す会社に成長しているかもしれません。
B社のサービスに満足したお客様の目を自社に向けさせ、自社の固定客になってもらうには、
よほど優れたアイディアや技術が必要です。
どのような業種であれ、スタートダッシュは重要です。
自分と同じ業種の会社、つまりライバル会社よりも先に顧客を獲得しておかなければ、競争には勝てません。
ビジネスは常に先手必勝であり後出しでの勝利はありません。
日本政策金融公庫の「創業融資制度」を受けて2006年に企業した会社は、開業3年目の2008年にリーマンショックを迎えました。
上場企業が戦後最悪の倒産件数を記録し、中小企業も倒産件数が大幅に増加した中、創業融資制度を受けていた会社は、その影響を受けながらも、2009年に86.8%が存続しているという統計結果が出ています。
さらに61%が黒字で、従業員の平均人数も開業時3.8人から4.9人に増加し、着実に成長しました。
繰のり返しになりますが、起業時に資金調達をして会社の資金を厚くしておくことは、その何年後にわたって会社が存続するために、絶対に必要なことです。
十分な資金を調達してビジネスに加速度をつけ、ライバルよりも先に成長すること。
どの業界でもビジネスの競争は激化しています。そこに参入し、生き残り、勝つためにも、資金調達は企業家にとって最重要課題なのです。
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