維新の会、参院廃止を提唱へ 政権公約で既成政党に挑戦状
http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012021001002586.html
現在の日本で地方政治家といわれて真っ先に思い浮かぶのは石原慎太郎でも東国原英夫でもなく橋下徹であろう。もともと「茶髪の弁護士」としてメディアに登場した橋下は二度の選挙を経て、現在は大阪市長を勤めている。選挙期間だけでなく平時からとにかく話題に事欠かない人物である。
賛否両論の多い人物であることもまた論を待たない。ここで「橋下政治」の技法を今一度整理しておこうと思う。高い頻度のメディア露出を背景にした高い支持率、課題への迅速な行動力、普段ニュースを流し見しているだけではうかがい知ることの出来ない橋下を知りたい。そう考えて記者の目から見た橋下を描いた本書を手にとってみた。出版は2009年6月とやや古いが、橋下知事の誕生から描かれている。選挙は支持率を武器とする「橋下政治」を理解するうえで欠かせない出来事だ。この本を読んで何かし橋下氏への理解を深められればと思う。
本書は橋下知事を扱った文章としては少し突き放したようなスタンスを取っている。橋下支持者や反対論者による文章ではなくて、「地方政治家としての橋下の誕生と行動の記録」といったほうが近いだろう。同様の「橋下の記録」として、橋下の出自に焦点を当てて彼の原動力をルサンチマンに求めた森功による『同和と橋下徹』もなかなか面白く読めた。こちらは「g2」に会員登録(無料)をすれば読むことが出来るhttp://g2.kodansha.co.jp/1251.html。
さて、本書の構成は次のようなものである。第1章 擁立「二転三転」は選挙出馬までの軌跡、 第2章 全開「橋下劇場」では財政非常事態宣言から予算の可決までを扱っている。第3章 証言「人間・橋下」はその出自から彼のパーソナリティに迫る章だが、このあたりは『同和と橋下徹』の方が詳しい。『同和と橋下徹』については気が向けば軽くまとめるかもしれない。第4章
翻弄「妙手奇手」 は教育分野の橋下の行動を中心に描かれている。以下では本書を頼りに彼の組織や世論との関係、彼の持ち味や危うさについて考えてみたい。
○世論との関係
橋下といえばその高い支持率を抜きにして語ることは出来ない。そこで、まずは選挙期間中の橋下の「世論」との付き合い方を見てみよう。橋下の選挙方法は「空中戦」と呼ばれるものだ。支援組織からの票を頼りにするのではなく、不特定多数に一気に名前を売り込む方法だ。メディアで顔が広く知られた有権者の認知度の高い橋下自分の立場を存分にいかした戦術だろう。
彼の街頭演説にテレビ出演者としての経験が反映されていることは十分に考えられることだ。自分の生い立ちを語る。同じ年齢階層が多いと見ると「君たち」と呼びかける。あるいは一人称を僕とオレで使い分ける等。そして、公明党の年賀会には腰を折り曲げ選挙の支援を求める。場によって演出を使い分ける。そんな彼の演説で一貫していたことはこんなことらしい。
「政策や公約についてほとんど訴えず、ひたすら「若さと爆発力」をアピールし、「大阪を変えよう」と呼びかけた。」p.82
橋下は子育て支援策を前面に打ち出しながら、聴衆の理に働きかけるよりも感情に訴えた。このようなセオリーから外れたスタイルを貫けたのは選挙資金を自己の資金と寄付で賄えたことも大きい。ベテラン議員からの政策を語る演説を重視すべきとの助言を無視することが出来たからである。こうして2008年の1月27日に大阪府知事としての橋下徹が誕生した。
- 徹底検証「橋下主義(ハシモトイズム)」─自治体革命への道/読売新聞大阪本社社会部

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