GREY
その時、20人くらいはいただろうか、たまに入ってくる大地のうねりのようなお化けセットは
ダブルを越してトリプルはあった。
崖の下の岩のカレントを使って沖に向かってパドルをしながら、
この後食らうであろうセットの波を考えつつ、危険なポジションを確認していた。
とにかく、食らってはいけない波があって、ちょっとビーチよりにいた時に限って、
あれはやってくる。
案の定、それはやってきた。
絶対無理と思いながら、隣にいた友達には「行くしかない!!」と言ってみたら、
本当にビーチに向かってパドルし始め、ボトムの先には子供が必死にパドルしているのが見えた。
その子の顔を見れば、その波に乗るのはハイリスク過ぎると横目に見ながら、
ブレイクしていく波を目で追いかけ、友達と子供がどうなったのか気になっていた。
こんな時の一瞬は、とても長く感じる
そして、彼らとサーフボードは真っ白な水面に浮かび上がり、何もかもがこんがらがっていて、
子供は何が起きたのか分からないような表情と、近くにいたその子の父親が必死に前を見ろと
叫んでいた。
そう、セットはそれだけではなかった。
前方にいるわたし達でさえ波をくぐるのに精いっぱいなのに。
波も落ち着いたところで、一瞬時間が止まった次の瞬間、父親がリーシュを外せと叫んでいた。
その声に反応して、二人は抱き合わさっていた体と板を解放することが出来た。
板は傷ついていたけど、二人とも無事だった。
こんな時は、サーフボードが邪魔でしょうがない。
Keep surf
















