迷山村…
長老)「今日はイノシシの肉を貰ったから猪鍋じゃ」とどこかで見たことがある囲炉裏に鍋の光景だった。
長老)「食べたことあるか?」
優馬)「多分ないです。」
長老)「美味いぞ」とよそってくれた。
優馬)「美味しい」
長老)「そりゃ捌きたてだからな。聖音お猪口」と優馬に渡しお酒をついだ。
それを一気に飲み干したがあまり飲み慣れない日本酒にゴホゴホとむせ出した。その様子をみてちゃんと聖音は笑った。
長老)「当分ここにはいることになるからここにいなさい。あとここでの名前を決めてやる。そうだな~お前さんは優しい子馬のような目をしとるから優馬にしよう」偶然なのかあちらの世界では自分の名前なこと本人は当然気づいていなかった。
優馬)「優馬か~」なんかしっくりする名前だった。
優馬)「ありがとうございます。」
長老)「聖音、明日この辺を案内しであげな」
聖音)「はい。」
優馬)「あの~もしよかったらあっちのの世界から来た人に会わせてくれませんか?」
長老)「龍一じゃな、聖音連れていってあげな」
聖音)「わかりました。」
長老)「わしはもう寝る」と部屋に入っていった。
聖音)「私は片付けますが優馬さんはまだ寝るの早いですよね?そこの縁側で涼んでて下さい。お月様がきれいですから」と言われたまま先程のお酒と漬物を持って縁側に座った。
優馬)「確かに綺麗だ。阿弥にも見せてあげたいな」と自然にでた言葉だったが
優馬)(阿弥って誰だ?なんで俺は知らない人の名前を呼んでるんだ?酔っ払ったかな?)と頭を抱え込んでしまった。
暫くして
聖音)「隣いいですか?」
優馬)「聖音ちゃんはいくつなの?」
聖音)「聖音で大丈夫です。わたしは16歳です。」
優馬)「16歳の割にはしっかりしてるね」
聖音)「そんな事ないかと…ただおじいちゃんもかなり歳とってますからなるべく自分でやれることはやらないといけませんから」
優馬)「そうか~でも聖音のご両親は一緒に住んでないの?」と何気なくきいたが一緒に表情が曇った聖音に気づいて、
優馬)「ごめん、話したくないならいいんだ」
聖音)「いえ。大丈夫です。実はお父さんとお母さんは私がまだ2歳の時に居なくなりました。」
優馬)「居なくなった?」
聖音)「はい。ある日2人で一緒ににこの先にある、入ると二度と戻って来れないと言われてる森に入ったらしいです。」
優馬)「森?らしいって?」
聖音)「正直わからないんです。ただ突然居なくなるのはあそこに入ったからだと…」
優馬)「そうか~ごめんな。話しずらいこと聞いて。でも生きてるって信じような。自分も信じる」
聖音)「ありがとうございます。でわお布団引きますね。もう少し待ってて下さい」と優馬が寝る部屋に向かった。
なんかいろいろ不思議なとこに迷いこんだんだな~と聖音が引いてくれた布団に横になった。