珠理奈がこの世を去ってから早くも3年が過ぎた。私はあの日からしばらく何もできずにいた。
私と亮君はそれぞれ誓うところに就職していた。亮君は2年目から全国に出張し私達は会う機会も少なくなった。
久しぶりに会ったのは珠理奈の3回忌の法要の時だった。
玲奈)「なんか久しぶりなんて珠理奈が怒ってるよ!」
亮)「そうだな…でも2年目なのにもう次のステップを用意してくれてるんだ…で、実は言いにくいんだけどイタリアに転勤になった!」
玲奈)「え~イタリア~?どのくらい?」
亮)「最低1年…ついてきてくれる?」
玲奈)「1年…ついて行きたい気持ちはあるけど…でも亮君わかってるよね?私が今やってること…」
亮)「わかってる…俺…1人で行ってくる!帰ってきたら…ずっとそばにいてくれるか?」
玲奈)「待ってるよ!珠理奈との約束だし、私は亮君が好きだから!」そう、珠理奈の墓前で改めて誓ったんだ。
私は今医療関係の仕事をしていて、ボランティアで積極的にドナー登録の進めを行っている。
ドナーとの適合率は兄弟なら4分の1だが、他人なら数万分の1以下と極端に低い。沢山ドナー登録が必要になる。
医療が進み、死亡率が下がってほしいと願ってる。
私は事があることに珠理奈のとこを訪れていた。
きては珠理奈が最後に話した事を思い出していた。
玲奈)「亮君ね、イタリアでうまくやってるみたい…でも私達ちゃんと結婚できるかな?」私達は珠理奈と約束したものの不安だった。
そしてそれから2年がたち珠理奈が亡くなってあっという間に5年がたった。
私はユミ子さんと一緒に講演なども行っていた。ドナー登録次第は40万人以上になり、嬉しい気持ちになる。
ついこの間、移植がうまく行き完治に近い女の子と会った。亡くなった時の珠理奈と同い年だった。
思わず珠理奈を重ね合わせてしまった。
そしてイタリアでの仕事が落ち着き亮君が帰ってきた。2人である報告を珠理奈にしようと思った。しばらく珠理奈の元に来なかった。いやあえて来なかった。
玲奈)「珠理奈、久しぶり!今日はようやく喜んでもらえる報告しにきたよ!」
?)「ママ~」亮と一緒にきたのは3歳ぐらいの女の子だった。笑顔が素敵な女の子だった。
玲奈)「亮君と私の家族だよ…名前は珠理奈だよ」私はそっと頭をなぜた。