亮)「怒るわけないだろう!」それ以上黙ってしまった。私はそんな亮君に抱きついた。亮君は泣いていた。
次の日、みんなの元に朗報がきた。
珠理奈のドナーが現れたのだ。同世代で、交通事故で植物人間状態になっていた女性からだった。
医者)「すぐ手術します…ただ前にもお話ししましたが、移植しても副作用や拒絶反応を起こし命の危険もあります。」そう言われたが珠理奈が生きてくれる可能性があるのなら…そう思い手術を受けさせた。
手術してから3ヶ月がたち、退院できるまでに回復した。
珠理奈)「お姉ちゃん~デート行こう~デート!」
玲奈)「う~ん!どこ行きたい?」
珠理奈)「渋谷とか普通にぶらぶらしたい!お兄ちゃんなしで2人でね!」
亮)「俺はバイトあるから楽しんでこいよ!」そう言って送り出した。
ユミ子)「このまま…このまま…」毎日が祈る気持ちだった。
しばらくは定期的に病院も行きながら、学校にも通うようになった。
誰もが珠理奈は大丈夫なんだと思った。しかし新しい年を迎える前に珠理奈の体調が悪くなった。
珠理奈)「また病院か~」流石に落ち込んでいたが
亮)「大丈夫だよ!お正月はみんなで過ごそうな!」
私も含め不安な気持ちもあるが新しい年とそして3月の珠理奈の誕生日はみんなで過ごすんだと言う思いでいっぱいだった。
治療もとりあえず効き12月29日に一時帰宅を許された。
お正月はみんなで過ごし、珠理奈と玲奈は振り袖をきて4人で初詣にもでかけた。
珠理奈)「来年もこようね!」
亮)「当たり前だろ!来年も再来年も珠理奈に彼氏ができるまでみんなで行こうな!」
お正月も終わりまた珠理奈は入院生活に戻った。
みんなはすぐ戻ってくると信じていたが、検査の結果は一番恐れていたことだった。
医者)「やはり移植の副作用と拒絶反応が起きてます。しばらくは投薬治療を行いますが…それと申し上げにくいのですがある場所にがんが見つかりました。」
みんなは言葉を失った。ユミ子はあまりのショックで気を失ってしまった。
ユミ子は病室に連れていかれることになり、玲奈がついていく事になった。そのあと一人になった亮が話しを聞いた。
医者)「投薬がうまくいかない場合、再び抗がん剤を使う事になります。今のところ白血球の値が著しく悪いので…」
亮)「なんであいつばかり…」
そして医者からは追い討ちをかける一言を言われた。