試合は6対4でリードしていた。しかし6回の表にレイズが亮太に襲いかかった。
先頭バッターにホームラン打たれて1点差に迫られ、2アウトまでいったがファーボールとデッドボールで2累1累に
達也)「タイム!」マウンドに集まる内野陣
亮太)「ごめん、限界やわ…」
達也)「よく頑張った。」
優馬)「あの~俺に投げさせてくれませんか?このままでは終われないんで…」
達也)「昨日かなり投げてるけど大丈夫か?」
優馬)「平気です!」
達也)「よし、任せた!」
亮太)「優馬さん、お願いします。」亮太はそのままベンチに下がり大きな声で応援した。
玲奈は手を合わせてただ見守った。
そして変わった第1球…力がこもった1球が内角に突き刺さるように決まる。勿論優馬の球は亮太のようにスピードがあるだけではないがスピード以上の最高の球に相手チームの4番は驚いた。
昨日はこの4番に4打数4安打1ホームラン、今日は3打数2安打3打点と一番当たってるバッターだった。
しかし昨日ことがなかったかのようにあっという間に0―2と追い込んだ。
そして3球目は得意のスライダー…昨日ホームランされている球だった。
しかしこの4番バッターはその球を狙っていた。投げた瞬間に反応してバットを振った。ブーン!
その球はキャッチャーの小池のミットに収まり、
優馬)「うぉぉぉ~」と玲奈も初めてみる雄叫びをあげガッツポーズした。この気迫溢れるパフォーマンスに痺れたメンバーは6回の裏、一気に初回のように打線が爆発して5点を取って、試合を決めた。最後は3者三振で優馬とチームは前日の借りを返した。
試合終了とともに優勝したかのようにハイタッチしたり抱き合ったりして笑顔で大騒ぎした。
玲奈もその輪に加わり
玲奈)「ゆう君のあんな表情初めてみた。鳥肌たったよ!」
優馬)「あんなの初めてだよ!1球目投げた時に、今日は打たれないって思って自然に力抜けたんだ。」
亮太)「なんか…すごく痺れました…多分今まで一番かも?」
小池)「自分もです!なんかプロで優勝した気分です!」次々と優馬に声をかけた。
この勝利で首位とついに1差…
達也)「結成して10年…優勝見えてきたな」手応えを感じて目頭を赤くした。
この月度はグループ戦3戦負けなしと気付いたら首位に並んでいた。そして玲奈の誕生日が近づき珠理奈は眠れない日々が続いた。