明音や珠理奈のことは内緒にしていた優馬だった。今は話さないほうがいいと思っていたからだ!
きっと玲奈が不安で考えてしまうと思ったからだ。
そんな中、週末は草野球チームにとって試練の2連戦だった。土曜日はトーナメント戦ベスト8をかけて、日曜日はグループ戦で勝つと首位が見える大事な連戦だった。しかもチームは偶然同じレイズ…グループ戦の首位のチームだった。
達也)「先発は優馬でいく!準備頼むな!」先発は3日前に言い渡されていた。自然に練習にも力が入るのも仕方がなかったがそれが逆に仇になってしまった。
土曜日気合いが入るチーム…マウンドにも気合いが入りまくりの優馬がいた。
勿論玲奈もいたが、珠理奈、そして明音もいた。
玲奈)「ちゅり、ありがとうね!」
明音)「私も少しは前、向こうかなって…」
玲奈)「なんのこと?」
明音)「何でもないよ…さぁ~試合始まるよ!」
玲奈)「う…うん!!」珠理奈は少し離れた所で見ていた。
試合が始まり、1回は3者連続三振と最高の立ち上がりだった。そのまま3回まではパーフェクトでいった。
ただチームはヒットはでるものの点には結びつかなかった。
しかし2巡目に入った時だった。1番打者が3累前にセーフティーバンドをした。しかし落ち着いて捕ればタイミングはアウトだったがなんと3累の河村がハンブルして累に生きてしまった
河村)「悪い、滑った…」
優馬)「大丈夫です!」しかしその言葉とは反対にここから崩れてしまった。2番打者はファーボール、3番から6番までは連続ヒットで5点…しかし止まらない打線は10人で10得点…マウンド上で呆然とする優馬をベンチにさげた。
達也)「悪い…交代のタイミング外してしまった…」優馬は言葉もでず下を向いたまんまだった。
そして5回の裏、力なく3者凡退で屈辱のコールド負けとなった。
河村)「ごめん…俺がリズム壊した…」そんなお通夜みたいな雰囲気だったがそれを変えたのは、珠理奈だった。
珠理奈)「これだけこてんぱんにされたら逆に明日は気楽にできるんじゃない?」
優馬)「だけど…もう少し俺が冷静になっていれば…」
珠理奈)「でも優馬さんがきてから優馬さんのおかげで勝った試合もあるじゃん!責める人なんていないよね?」
亮太)「そうだ!!うちらの目標はグループ戦優勝、もう1回仕切り直ししよう~」玲奈は隣で優馬の手を黙って握っていた。