奈和は電話を切り、撮影に戻った。
阿弥は悩みに悩んでいた。別れを選んだら簡単なんだ…そう思った。しかしたくさんの女の子の中から自分を選んでくれた。演技という世界に引き入れたことに恩がある。いろんなことを考えて食事も取れずにいた。
そして数日後、最悪の状態になった。阿弥が倒れ救急車で病院に運ばれたのだ。
それはマスコミも動かすほどの大きな出来事になった。それは何故か…それは恋愛こじれて自殺未遂と噂が流れたせいだった。
ニュースを知り、阿弥の元に菜々、優、奈和、美優紀、そして舜…そうskeで共に過ごしたメンバーが顔を揃えた。
菜々)「阿弥…大したことなくて良かった…」
優)「ひ・久しぶりだよな、こうやって揃ったのは…」
阿弥)「みんな…ゴメンナサイ…」とただ、ただ泣くだけやった。
舜は病室に入らずに廊下にいた。きてみたはいいが、阿弥にかける言葉がみつからなかった。そして仲間として何もできずに追い詰めたことを悔やんでいた。
奈和)「気づいていたのに…ごめん…」
優)「あれは本当なのか?」とストレートに聞いた。
阿弥)「私、自殺なんかしてない…」
優)「阿弥がそんなことするわけないよな…」
菜々)「なぁ…阿弥?こんな状態やけど…」
阿弥)「うん…これだけ大きなことになってしまって…決めなきゃ…ね…」
菜々)「舜はどないしたん?」
美優紀)「外にいるよ…」
阿弥)「舜もきてくれたんだ…」
菜々)「あいつ不器用やから…ここまできただけで堪忍してあげてや…」
阿弥)「申し訳ない…」
外では玲奈と綾巴が舜に気づき声をかけた。
玲奈)「舜君…入らないの?」
舜)「玲奈さん…お久しぶりです!」
玲奈)「心配してきてくれたんだね?ありがとう!」
舜)「阿弥が迷惑かけてしまい、すいません」
玲奈)「舜君が謝ることないよ!阿弥ちゃんは今苦しいけど必ず立ち直るよ!入ろう?」
舜)「いや、いいです!入ってもかける言葉がありません。」
綾巴)「今、阿弥ちゃんが必要なのは舜君です。恋愛感情だけじゃなく、心の支えとして仲間として、そばにいるだけでそれだけで…」
舜)「玲奈さん…綾巴ちゃん…」ふぅ…っと息を吐き2人に続いて病室に入って行った。
阿弥)「舜…」手で顔を覆い泣き出した。
玲奈)「舜君…」と舜を阿弥の前に背中を押した。
しばらく黙っていたが舜が口を開いた。
舜)「阿弥…」