ゆきおんな
むかし、むかし
きたの国に すむ
一人の わかものが ちちおやと
ゆきのなか かりに 出かけました。
とつぜん てんきが わるくなったので
二人は やまごやで よるをあかし
てんきが かいふくするのを まちました。
まよなかの ことです。
ねていると 入り口が バタンとあき、
白いきものを きた
一人の いろじろの おんなのひとが
そこに立っていました。
わかものが はなしかけようと すると、
そのおんなのひとは ちちおやに
白いいきを ふきかけたところ、
ちちおやは たちまち
白くなると いっしゅんに
こおってしまいました。
ゆきおんなに、 わかものは
みうごき できませんでした。
「わかもの、 おまえは たすけてやるが、
きょうのことは けして
だれにも はなしては いけない。」
そう言うと ゆきの なかに
きえてしまいました。
つぎの あさ、目がさめると
ちちおやは こおって しんでいました。
それから いちねんが たった
ある あめの日の ことです。
うつくしい おんなの人が
のきしたで あまやどり していました。
わかものは おんなの人を
いえの中に 入れてあげると
いきさつを きいたところ
「なまえは なんという。
これから どこにいくのか。」
「なまえは 「おゆき」と 言い、
わたしには みうちは いません。
これから いくところも ありません。」
それを きいて しんぱいした
わかものは しばらく いえに
おゆきを おいて おくことを
きめました。
ふたりは やがて こいに おち、
けっこんして こどもも でき、
しあわせな ひびを
おくっていました。
ある ゆきの ひのこと、
わかものは うっかりと
あのひの やまごやでの ことを
はなして しまいました。
おゆきは かなしい
かおで いいました。
「あれほど はなしては いけないと
いったのに はなして しまいましたね。」
そういうと、 おゆきは
かれの もとから きえました。
おゆきこそ ゆきおんな だったのです。
それいらい おゆきのすがたを
見たものは ひとりも いませんでした。
おしまい
きんたろう
むかしむかし
あしがら山の 山おくに
きんたろう という なまえの
おとこのこが いました。
きんたろうの ともだちは
山の どうぶつたちです。
きんたろうは まいにち まいにち
どうぶつたちと すもうを して
あそんで いました。
「はっけよい のこった」
「きんたろう がんばれ
くまさん まけるな」
だけど かつのは
いつも きんたろうで
大きな からだの
くまさんでも きんたろうには
かてません。
「まいった きんたろうは つよいな。
でも つぎは まけないぞ。」
こんどは つなひきです。
山じゅうの どうぶつたちが
あいてでも きんたろうには
かてません。
「つなひきも きんたろうの かち」
たいへん ちからもちの
きんたろうですが つよいだけでなく
とても やさしい おとこのこです。
あるひ くまの せなかに のって
山みちを いくと
川の ところで
どうぶつたちが こまっていました。
「どうしよう はしが ないから
むこうに いけないよ」
「よし! ぼくに まかせろ」
きんたろうは おおきな木に
たいあたりして 大きな 木を
おると 川を わたる
はしを つくって くれました。
「どうも ありがとう」
どうぶつたちは おおよろこびで
きんたろうの つくってくれた
はしを わたりました。
それから つよいちからと
やさしい こころを もった
きんたろうは りっぱな
わかものになり わるいやつを
つぎつぎに やっつけたと
いうことです。
おしまい
ねずみの よめいり
むかし むかし
ねずみの 一家が いました。
とうさんネズミと かあさんネズミと
ひとり娘の チュウコです。
「ねえ おとうさん
そろそろ チュウコにも
おむこさんを みつけなくては
なりませんね」
「そうだな チュウコは
世界一の むすめだから
世界一の おむこさんを
みつけて やらないとな。
ところで 世界一
つよいのは やっぱり
おひさま だろうな。」
とうさんネズミと かあさんネズミは
おひさまの ところへいって
たのんで みました。
「世界一 つよい おひさま。
チュウコを およめに
もらって くれませんか?」
「そりゃ うれしいが
そらに うかぶ くもは
わしより つよいぞ。
わしを かくして しまうからな」
そこで とうさんネズミと
かあさんネズミは くもの
ところへ いってみました。
「世界一 つよい くもさん。
チュウコを およめに
もらって くれませんか?」
「そりゃ うれしいが
かぜは わしより つよいぞ。
わしを かんたんに
ふきとばして しまうからな」
そこで とうさんネズミと
かあさんネズミは かぜの
ところへ いってみました。
「世界一 つよい かぜさん
チュウコを およめに
もらって くれませんか?」
「そりゃ うれしいが
かべは わしより つよいぞ。
わしが いくら
ピューピューと ふいても
わしを はねかえして
しまうんじゃ。」
そこで とうさんネズミと
かあさんネズミは かべの
ところへ いってみました。
「世界一 つよい かべさん
チュウコを およめに
もらって くれませんか?」
「そりゃ うれしいが
わしよりも つよいものが いるぞ。
それは ネズミじゃ。
ネズミに かじられたら
わしも おしまいだからな。」
「なんと 世界で
いちばん つよいのは
わしら ネズミだったのか」
そこで チュウコは
めでたく ネズミの
およめさんに なりました。
おしまい
