さて今回は
あくまでシャント外科医からみたタンパク尿!
についてのお話です。私なりに患者様に理解していただくような話になってます。独り言、に近いかもしれません。
注意!!
患者様にわかりやすい話に多少なりとも脚色してあります。正しい内容を知りたい方は成書を確認してください。
さて、タンパク尿・・・の前に、タンパク質って何をしているものなのでしょうか?
タンパク質(蛋白質、たんぱくしつ、protein)とは、L-アミノ酸が多数連結(重合)してできた高分子化合物であり、生物の重要な構成成分のひとつである。
ーWikipediaよりー
これだけでは全くわかりませんね。
ともかく、人間は水とタンパク質でできている、とひとまず理解してください。
そしてここでは、タンパク質は鉄筋ビルの鉄骨だと思ってください。
普通は自分で自分の鉄骨を抜くなんてことはありませんよね。
でも腎臓が壊れてくると自分で自分の鉄骨を抜いて、尿の中に捨ててしまうのです!
これがひどくなると、体内の鉄骨が少なくなってしまいます。
以前、腎臓の機能についてお話ししました。
大きく分けて③つに大別できます。
①老廃物を捨てる、バランスを整える
②体の中の水分量を一定にする
③血液を作る
でしたよね。
尿タンパクがひどくなると、カラダの中の鉄骨の量が減ります。
ここで血管を紙コップと想像してみてください。
紙コップの中にあるのは血液です。
そして紙コップは鉄骨が入っているからしっかりと血液をたたえていられるのです。
では、紙コップの鉄骨が少なくなってしまうとどうなるか?
血液、正確には血液の水分成分をたたえていられなくなってしまいます。
つまり血管の外へ水が逃げてしまった状態です。
逃げた水はどこにいくのでしょう?
むくみます。
はじめは顔や足がむくんできます。
利尿剤で尿を増やすことでしばらくは対応できますが、水分は血管の外に逃げいているので、この逃げた水を血管の中に戻すのはなかなか大変です。
次に胸に水がたまって胸水になり、心臓がポンプとして動かなくなるくらい水浸しになります。こうなると呼吸不全、心不全ですよね。
ですので医師は、タンパク尿の重要性と危険性をよく知っています。検診でタンパク尿陽性であれば、きちんと調べないと心配で心配で大変です・・・放置するなんてとんでもない!!
とりとめのない話になってしまいましたが、鉄骨がスカスカの状態のときに人工血管を移植すると、非常に強い腫脹が出現する!ということがお分かりいただけたら幸いです。
文字ばっかりになってしまいました・・・