鈴木宗男の「日本にとってはウクライナよりもロシアとの関係が重要」という主張は全くもってそのとおりだし、そのためにロシアへの渡航が必要だと言うのなら俺は支持する。

 

だがそれは、宗男がプーチンに対して「ウクライナから手を引け」「話し合いのテーブルに着け」と、堂々と進言出来る状態にあることが前提だ。それをせず、依然として「ロシアの勝利を確信している」などとゴマをするだけなら、日本に対しても、ひいては世界に対しても何の役にも立たないと断言する。

 

欧米諸国はウクライナを支援すると言いながら、その実単に武器を与えるなど「火に油を注いで」いるだけであり、このまま持久戦でロシアの体力を削ぎ落とせれば一定の成果と見做す程度の動機でしかない。そこに日本がへばりついているのも別にウクライナが不憫だからではなく、その方が先々何かと得策であると踏んでるからだ。

 

しかし、ウクライナ云々を抜きに単純に国益だけで考えれば、ロシアとのまともな付き合いを丸々捨て去るような選択はあり得ない。

 

もしも巷の猛者たちが吠えまくるように「米国は日本を守ってくれない」なんてことが起こり得るならば、この国は微々たる戦力の増強に向けて増税メガネの支持率をどうのこうのしてる場合ではなく、いかにしてロシアとの友好関係を築いて行けるかに最大限気を配る必要があるはずだ。

 

そのためには、ウクライナ支援における思考時間ゼロの絶賛対米追従を再考するばかりか、レイプし放題・PFAS垂れ流し放題でおなじみの日米地位協定の適用範囲を微調整するぐらいの気概はあって然るべきだろう。

 

それゆえ宗男の主張は十分に筋が通っており、政府は「適切でない」などと安易に切り捨ててはならない。

 

ただし、宗男はその主張を通すのなら、ロシアによるウクライナへの攻撃を止めるために今すぐ体を張るべきだ。宗男一人の声がプーチンにまで届くと言うのなら簡単だが、そうでない以上、まずは「ウクライナ応援団」に対抗出来る数の「ロシア鎮静団」を結成すべく奔走しろ。「やれ!やれ!」と囃し立てるのではなく、「やめろ!やめろ!」と諫める勢力を立ち上げ拡張させねばならぬ。

 

しかし・・・悲しいかな、俺はまったく同じことを10か月も前に書いている。宗男がロシアに対してしつこいぐらいに「戦争をやめろ」と語る気配でもあれば少しは見直すが、そんな声も報道も聞こえてはこない。単にロシアに摺り寄るだけなら政府の欧米追従と比して何ら優位はない。信用に足らぬ影にいくら踏み及んだところでそっぽを向かれるだけだ。いい加減、率先してミイラになるその心づもりを返上しろ。