自分の記事をリブログするのは初めて・・・というか、リブログそのものを初めてすることになる。昨年にこの「異次元通信」を書いてから早一年が経った。状況は何も変わっていない。相変わらず何も判らない中で「ウクライナ支援」が行われている。
ヒステリックにロシアを非難する情報は有り余るほどで、世界が分断されていることを如実に物語っている。攻め入ったロシアに非があるという当たり前の前提の上で、何故か世界のウクライナ応援団は、プーチンの下に集まって「やめろ!やめろ!」と言うのではなく、ゼレンスキーの下に集まって「やれ!やれ!」と囃し立て、より強力な武器を提供し続けている。
悪いのはロシアなのだから仕方無いと言う主張があるが、一体、この戦争は誰のためのものなのか。あなたは一体、この戦争の何を知っていると言うのか。我々が入手する情報は常に一方的なものである。戦時下における情報はそれ自体が武器なのだ。我々は既にこの戦争に巻き込まれ、情報という名の銃弾を全身に浴び続けているだけだ。
かつて我々は、そうした銃弾に撃ち抜かれて意識を失った経験がある。2001年のアメリカ同時多発テロ発生後、アメリカはイラクに大量破壊兵器が存在すると主張し、同盟国を巻き込んで侵攻に踏み切った。小泉政権はこれに「支持」を表明し、終結宣言後の復興支援名目ではあるものの「非戦闘地域」への自衛隊の派遣も行われた。この際、どこが非戦闘地域か?についてまるで禅問答のような議論が展開され、総合的に見て「アメリカに逆らえない日本」の印象が格段に強まったことは記憶に新しい。
結果的にイラクの何処からも大量破壊兵器は発見されず、まったくもって大儀の無い侵攻であったことが明らかとなった。が、日本政府はいまだにこの侵攻について総括もしていない。この国の態度はいつも同じ。アメリカに言われたから支持するという、圧倒的に無責任な態度でしかない。真実なんて見てもいないし、見ようともしていない。後から間違っていたと判っても、反省も、修正も無い。まさに「意識不明」のままだ。
あれから20年も経つのだが、この国の人々は何も変わっていない。未だに本当かどうかわからないものを疑う術すら知らない。ただ言われたら鵜呑みにして、見せられたものをすぐに信じ込む。国民は挙ってウクライナ頑張れと叫び、「ウクライナのようになりたくなかったら防衛費を倍増させるべきだ」などと嘯く。
やれやれ、またかよ? というのが、俺の率直な感覚だ。
ウクライナ戦争については、俺は引き続き論評を避ける。アメリカの言うことが、アメリカ経由でもたらされる情報がどれほど信ぴょう性に欠けるかを痛いほど思い知らされているので、テレビの画面に映るすべてが=「すべて」であるとはとても思えない。論評するだけの十分な材料を、俺はまったく入手出来ていない。
しかし、ただ一つ絶対にそれは無いと言い切れることはある。「ウクライナのようになりたくなかったら」という言説は、完全に詐欺だ。この脅迫で防衛費を吊り上げようとする輩の口は、俺にはすべて「ひん曲がった口」に見える。日本は決してウクライナのようにはなり得ない。決定的な違いとして、ウクライナはウクライナの領土だが、日本はアメリカの領土だからである。
ロシアがどんな凶行に出ようとも、アメリカはかつて「大量破壊兵器が有る」はずのイラクにしたようには、ロシアに手を出すことが出来ない。何故なら、ロシアにはまやかしでは無く、本当に「大量破壊兵器が有る」からだ。同様にして、如何なる国であれ決してアメリカに手を出すことは出来ない。アメリカにはロシアに匹敵するほどの大量破壊兵器が有る。然るに、アメリカのアジア太平洋方面統括軍事基地である我が列島に対して、手など出せる訳が無いのである。
日米安保が何故存在するのか。地位協定のもとで列島にちりばめられた米軍基地は何のためにあるのか。それらの存在によって、日本は他国による侵攻から守って貰えるなどというお気楽極楽な現実では決してない。実のところ、日本は「アメリカによって既に侵略されている」ってだけの話なのだ。それを嬉しがって毎年大枚はたいてる我々日本人という訳なのだ。
にもかかわらず、さらに「ウクライナのようになる」なんて出鱈目を信じるのだから、相当にお目出たい民族だとしか言いようがない。口車に乗せられて、米軍ではすでに廃棄にあたるような旧世代の兵器を大量に売りつけられている。アメリカにとっちゃ、実に都合の良い国ってことになる。
決して勘違いしてはならない、と言っておく。この世において最も危険なのは、ロシアでも、中国でも、北朝鮮でも無い。世界最強にして最凶の軍事国家は、紛れもなくアメリカなのだ。我々の国家はすでに、そのアメリカに飲み込まれている。その前提で考えれば、我々が自らの目では何も見えなくなっている現状も決して不思議では無かろう。が、少なくともその自覚ぐらいは、しっかりと持っておく必要があるはずだ。