責任の在り処はとっくに判ってるはずだ。人は収入が有れば有るほど大勢の子供を生むというわけじゃない。逆に収入が無ければ生みたくても生めない。だから「格差」を許容すれば必然的に子供は減る一方になる。金持ち優遇の政策がこの状況を導いたことは明白である。

 

 

「ここがかなり拡充されないとしんどい」と、学童保育産後ケアの支援充実が重要ともコメント。また男性は、母親が「休んでくれればくれるほど産み育てやすいと思っているが、でも女性の社会進出と同時に少子化はおきているので、女性を休ませるとか、専業主婦的な期間を設けることで、子供をより多く産むとはならない」とも話した。

 

これは全くその通りだ。女性の社会進出は別に「余裕があるから」起きていることではない。働かざるを得ないから働いているケースが大半だ。そんな中で十分なサポートが得られなければ子供なんて生めるはずがない。たとえ生んでも育てられない、育てる余裕が無いのだよ。

 

問題はその事情をこの国の男たちが理解しないことだ。知ってはいるだろうが理解してはいない。この国の男の異常性は、人が自身の抱える事情を述べて社会的譲歩や援助を求めることを、一括して「わがまま」扱いする点で顕著だ。だから産休も育休もベビーカーも、およそ自らの立ち位置から見て迷惑なものすべてに「わがまま」のレッテルを貼る。なにしろ、彼らにとっては「人に迷惑を掛けない」ことこそが金科玉条なのだ。「産休も育休もベビーカーも上等だが、それで人に(私に)迷惑をかけるのだけは止めてくれないか」というのが彼らの言い分である。仮に自分がその立場になったとしても彼らは全て「人に迷惑をかけず」にやり過ごせると根拠も無く信じている。要するに彼らには想像力が不足しているのだ。オツムが足りないから事情を上手く理解出来ない。当然、そんな男が大勢を占める政治の世界にも理解が広まる訳はないのだ。

 

産休、産後ケア、育休、乳児・幼児保育、学童保育、小児医療。こうした面は最低限十分なサポートが必要だがまだまだ足りない。日本ではよほど裕福な家庭でもなければ教育費が重く圧し掛かる。「子育て」などと一言で片付けられるほど甘く無い現実をずっと見て見ぬフリしてきたのは誰なのか。女親に丸投げして稼ぎに精を出せば何とかなる時代は既に過ぎ去った。想像力を欠いたままの社会で共働きを強いられれば子供は生めない。あたりまえの話だ。

 

「どうやって男性も女性も、ある程度労働時間をキュッとコンパクトに効率良くして、皆で子育てするのが大事」と、男女で子育てできるシステムが必要とした。  

 

その通りだが、そのベクトルで社会を再構築するにはまず女性の政界進出が最も重要だ。想像力皆無の男たちに任せていたら永遠にその日はやって来ない。もちろん、イケイケドンドンおばさんとか差別丸出し安倍シンパのお姫様のように男的思考に取り入ろうとする者は問題外で、ここで言う「女性」にはカウントされないから、女性の政界進出そのものが非常に困難なハードルである。権力指向の男は男であること自体が既得権なので簡単に手放そうとはしない。非力な野党も構造は同じである。さすれば、ここは女性が女性オンリーの政党、女性連合を立ち上げるしか無いのではないか。

 

さらに「自民党の持つ保守的な性格、お母さんたちに安心して産んでもらうというのを乗り越えて、柔軟な家族のあり方、シングルマザーでも豊かに子育てできるとか、結婚を前提にしない出生とか、多様化しないと恐らく難しいと思う」 とも述べていた。

 

自民党に多様化を求めるのは不可能だ。反共ヒステリーが党是になってるような組織に柔軟な家族のあり方など望めない。何が「異次元」なのか知らんが、家族、家族と言いながら家族を支援せず、多様化が伝統的家族を壊すとか言いながらむしろ少子化を進めて来てる矛盾。自民党にはその責任を取れと言うべきだ。「多様化しないと恐らく難しいと思う」と本気で思うのならば、コミンテルンがどうのこうの言って反共シンパ示してる場合じゃなく、早急に女性連合の組成に駆け回った方がいい。保育事業の補助は何年も据え置きながら増税して防衛費倍増すれば将来を見通せるとか、一日あたり165円(月5,000円、年60,000円)支給しておけば子育てが楽になるだろうとかアホなことをボーっと考えてるだけの国や都、想像力皆無の男社会に任せ続けていたら、我々は確実に滅びるのだよ。