1.相加平均と相乗平均の大小関係

  のとき

 が成り立つ。

等号成立は  のときである。

 

【証明】

 

2.調和平均の定義と「新しい平均」の作り方

  のとき

 を、a,bの調和平均という。

 

これは、逆数の平均の逆数である。

①逆数をとる→②平均をとる→③逆数をとる

 

単に「逆数の平均」では、aとbの平均とはいいがたい。

しかし、「2回逆数をとれば、(ある意味)もとに戻るだろ」

という発想を持てば、この平均を作ることができる。

もちろん、普通の平均(相加平均)と値は異なる。

 

数学者の間では、

①ある操作→②平均をとる→③ある操作の「逆」の操作

というプロセスでいろいろな「新しい平均」を作ることが

研究されてきた(らしい)。

 

実は、相乗平均も

①対数(log)をとる→②平均をとる→③対数をはずす

というプロセスで作られた平均だと考えることができる。

 

3.相乗平均と調和平均の大小関係

  のとき

 が成り立つ。

等号成立は  のときである。

 

【証明】

 に対して、

相加平均と相乗平均の大小関係を適用すると

両辺正であるから、逆数をとると大小は反対になって

等号成立は

 すなわち  のときである。