なにかのドラマの中で、東大を目指す生徒が
「三角関数なのに周期関数じゃないことを証明せよ」
という問題を塾の先生に聞いていたそうです。
手元の高校数学Ⅱの教科書によれば、
「y=sin x、y=cos x、y=tan xを三角関数とよぶ」
とのことなので、この問題はなにかおかしい。
もとのドラマを見ていないので、なんともわからないのですが、
「三角関数を組み合わせてできる関数で、周期関数でないものが存在することを証明せよ」
という問題に読み替えて証明を考えることにします。
例を挙げればよいので、なにかないか探してみます。
y=sin x+cos x
なんかは、明らかに周期2πです。
y=sin x cos x
も同様。
周期をずらしてみると、
y=sin x+sin 2x
は・・・周期2πですね。大きいほうに合わせて周期をもちます。
y=sin 2x+sin 3x
は・・・今度は最大公倍数が周期です。こんな調子で、xの前が有理数なら周期関数になります。いつかは出会うということです。そこで
y=sin x+sinπx
を考えると、これはいつまでたっても、折り合うことはありません。無理数の面目躍如でしょう。(ピーター・フランクルさんの『幾何学の散歩道』では、バナッハ・タルスキーのパラドックスの2次元バージョンを証明するのに、無理数のこのような性質が利用されます。)
証明はこのあと書きますが、その前に周期関数の定義を確認しておきましょう。
定義域内のすべてのxについて
f(x+a)=f(x)
をみたす実数aが存在するとき,f(x)は周期関数であるといい、このようなaのうち正で最小のものをf(x)の周期という。(最小でなくても等式をみたすaすべてを周期というのが正しいかもしれませんが、煩雑になるのを避けるためここではこのように定義しておきます。)
<証明>
f(x)=sin x + sin πxとおく。
f(x+a)=f(x)をみたす実数aが存在すると仮定して矛盾を導く。
4行目は和積公式を使いました。(たまに便利ですね)
これで矛盾がいえます。左辺は周期2πの関数ですが、右辺は周期2の関数であるから矛盾です。(xがついてるところが大事。aしかないところは単なる定数です。)
おわり