最近、久しぶりに化学を勉強した。


1.分子の形

分子は、同じ数の原子からなっていても、
ものによって、異なった形をとることがある。

たとえば、原子3個からなるものでは、
3つがまっすぐ並んだ直線形と折れ曲がった折れ線形
がある。

直線形の代表例は、二酸化炭素(CO_2)、
折れ線形の代表例は、水(H_2O)であろう。

しかし、よく考えてみると、
直線形はなっとくいくが、水の折れ線形はなんか変である。

水分子は、酸素原子(O)に2つの水素原子(H)がついたもの
だから、真ん中の酸素原子に対して対称のはずである。
なんで折れるのだろうか?
HとHでは電気的に引きあうはずもないのだから、
直線形にならないのが不思議だった。

調べてみたところ、これは、
酸素原子が非共有電子対を2つもつことから説明がつくとわかった。
電子式を書くと、酸素原子は4つの電子対をもっている。
これらの電子対は互いに反発し合うから、
きっと三角錐形に分布するだろう。
そこに水素原子がくっつけば多少の変動はあるにしても、
三角錐から大きくはずれないと思われる。
すると、水素原子は折れ線形につくことになる。

高校化学の理屈からいえば、そういうことで説明がついた。


2.分子間力と共有結合

非金属どうしがくっつくとき、共有結合する場合と
分子間力でくっつく場合がありどう見分けるのだろう?と思った。

いろいろ問題を解いていくと、
分子間力は、「結合」というときは出て来なくて、
「結晶」とか「沸点、融点」の話で出てくる。

「結合」と「結晶」はちょっと違うものである。
結晶というときは、固体の話である。(液晶なんでものもあるけど。)
共有結合とか金属結合は固体に限らない。

塩素分子は、塩素原子が共有結合してできるが、常温では気体である。
また、液体や固体になったとしても、塩素分子が、塩素原子が共有結合して
できたものであることに変わりはない。

金属は多くが、固体だが、水銀は液体である。
金属が電気を通す働きは金属結合(自由電子)に由来するが、
だとすれば、水銀も電気を通すだろう(あれ、通さない?)から、
水銀も金属結合しているはずである。
そして、金属結晶というときは、固体だけのことをいうのだろう。

分子間力は、その名の通り、分子と分子の間にはたらく力である。
ひとつの分子の中で結合は完結しており、その結合とは別に
それらの分子たちを引きつけ合っている力が分子間力である。

たとえば、二酸化炭素は、炭素原子と2個の酸素原子が、
共有結合によって結びついてひとつの分子となっている。
二酸化炭素の分子たちの間には、分子間力が働いていて、
それが原因で固体になったり、気体になったりする。

二酸化炭素にエネルギーをやると、よく動くようになる。
この動きの激しさを、人間は温度として感じているわけだが、
温度が高くなって、分子間力を振り切るくらい、
動きが激しくなると、二酸化炭素は気体となる。
温度が低く、分子の運動が、分子間力に負けているときは、
二酸化炭素分子たちは、分子間力によって、互いに
くっつけられてしまい、固体となる。
(ちなみに二酸化炭素の固体がドライアイスである。)

この話が、分子間力の大小によって、
沸点や融点に差が出るというやつである。

ちょっと、話がそれて、分子間力vs分子間力になっていまったので、
分子間力vs共有結合に戻そう。

共有結合は、分子を作るときに出てくる、ということだったが、
もっと大規模な?ものを作るときにも登場する。

たとえば、二酸化ケイ素(SiO_2)は、
無数のケイ素原子と無数の酸素原子が共有結合してできている。
これは固体であるが、分子を集めてできたものではない。
ドライアイスのように分子を集めてできた固体が、
布を縫い合わせて作ったパッチワークであるとすれば、
二酸化ケイ素は継ぎ目のない一枚の布である。

継ぎ目が分子間力であり、糸の織り合わさって布になっているのが
共有結合である。

二酸化ケイ素には、分子が集まってできているのではなく、
たくさんのSiとOを規則正しく敷き詰めて作られている。

隣り合ったSiとOどうしが
みんな共有結合しているのである。

二酸化ケイ素は、共有結合の結晶である、と言われる。


3.物質量とアボガドロ数

はじめに、モル(mol)とは個数のことである、
ということを思い出し置きたい。

原子を考えるとき、原子の個数を計算で使いたい。
しかし、原子はとてつもなく小さいため、水1mlでさえ、
水分子約3×10^22個(300垓個、3000兆個の1000万倍)

 01234567890123456789012
 一十百千万十百千億十百千兆十百千京十百千垓十百千

からなる。こんな数字をそのまま使うのは大変だから、
もうちょっと省エネしよう、ということで、

炭素12gに含まれる炭素原子の個数を1molと定めよう
ということになった。
炭素12グラムには約6×10^23個(6000垓個)の炭素原子が
含まれるので、

 6×10^23個=1mol

ということになる。
これは、たくさんの缶詰を扱う缶詰屋さんと同じ発想で、
缶詰屋さんは一箱にはいる缶詰の個数を1ダースと定めた。
一箱には缶詰が12個はいるので、

 12個=1ダース

ということになる。


さて、モルを使って数えた量のことを物質量というが、
物質量とは所詮、個数にすぎない。

ところで、
炭素12gに炭素原子が6×10^23個入っているという話だったが、
実は、正確には、6.02×10^23個である。
小数になるは、嫌だったり、不可解に思ったりする人もいるかもしれないが、
考えてみれば仕方のないことで、
試しに発想を逆にして、
炭素原子6000垓個がちょうどぴったし12gになるのか!?
といことである。

なにか原子をN個もってきたらちょうどMグラムになりました、
というのは、常識的に考えて、都合のよすぎる話ではないか。

うまく整数になる組み合わせがなかなかなく、
一番ましなやつが、「炭素原子12gで、6.02×10^23個」だった、
ということだと思う。

本当は、6.02・・・と続くかもしれないが、
大事なのが、小数第1位が0だということである。
小数点以下四捨五入して、6である。
いろいろな組み合わせを試したうちの、一番整数に近い数字が出たものなのである。
そう思えば6.02位で十分正確だろう。

この6.02×10^23のことをアボガドロ定数という。